太陽光発電を導入する際、発電した電気を無駄なく使用するために使われる蓄電池。
蓄電池と一口に言っても様々な種類があり、種類や容量も様々です。
蓄電池の種類ごとに気をつけるべき点も異なり、正しく使用すればメーカーが公表している蓄電池の寿命のよりもに長く使用することができるかもしれません。
蓄電池の寿命とは?
一般的に蓄電池の寿命は「使用期間」、「サイクル数」の2つで示されます。
サイクル数とは、一般的に、完全充電してから完全に使い切る(完全放電)までを1サイクルと考えます。
メーカーごと、商品ごとに異なりますが一番普及しているリチウムイオン蓄電池で、4000サイクルが蓄電池の寿命とされています。
また、蓄電池の種類によっては電気残量完全に使い切ることを推奨しない種類もあり、1サイクルの数え方も蓄電池によって異なります。
使用回数やサイクル数は目安であり、その回数などを過ぎてももう使えなくなるということはないため、参考に把握しておき、なるべく長く使用できるようにコントロールしましょう。
蓄電池種類別、長く使うコツ
蓄電池をより長く使うためには、種類によって特徴があるのを知り、設置環境や使用方法に気をつけることが大切です。
蓄電池への負担が最低限になるようコントロールすることもできますので、まずは知ることです。
4種に分類される蓄電池の種類別に注意点などをご紹介します。
1. リチウムイオン蓄電池
一般住宅で使用される太陽光発電とともに設置される蓄電池として最も多いのがリチウムイオン畜電池で、一般的にサイクル回数3500回、使用期間は10年とされています。
軽量でコンパクトなため、広く普及していますが、過充電と過放電に弱い側面があるため、100%になる前の充電、0%になるまでに放電をやめることが長持ちさせる秘訣で、50%程度の充電状態で使用するのが理想です。
極寒冷地では使用できない可能性があります。
〈長く使うための注意点〉
・過充電と過放電に注意する
・充電時の環境は0度以上、寒冷地対応のものを選択する必要がある
2. 鉛畜電池
蓄電池の中で一番長い寿命があると言われ、一般的にサイクル回数3150回、使用期間は17年とされています。
寿命が長く安価なため、自動車のバッテリーやフォークリフトなどへの使用実績が多くあります。
鉛蓄電池は、充電が0%になったのちも放電し続けてしまうと性能が衰えていく性質があります。
また極寒冷地では電解液が凍結破裂する可能性があるため使用できません。
〈長く使うための注意点〉
・0%になるまえに充電する(過放電しない)
・寒冷地では使用しない(購入前に確認)
3. ニッケル水素畜電池
蓄電池の中で最も寿命が短い種類で、一般的にサイクル回数2000回、使用期間は5~7年とされています。
大きな電流では蓄電池の温度が上がってしまうことや、高温な環境でも危険があるため注意が必要です。
家庭用の蓄電池ではあまり使われず、ハイブリットカーのバッテリーなどに使われています。
〈長く使うための注意点〉
・メーカーが提示する適温下で使用する
・自然放電してしまうため、常に使用できる環境下での使用がおすすめ
4. NAS蓄電池
一般的にはサイクル回数4500回、使用期間15年とされていて使用環境や状況によって左右されづらく劣化に強いと言われています。
寿命が長いのに蓄電池自体がコンパクトで効率が良いのが特徴ですが、メガワット級の蓄電池容量があるため、まだ高価で工場などで主に使われ家庭用の蓄電池としてはほとんどまだ使用されない種類です。
製造されている業者が特定業者のみで高性能であるために、まだまだ高価ですが将来性の高い蓄電池です。
〈長く使うための注意点〉
・毎日点検、定期点検、法的点検を行う(動作時300度になるため)
その他
・100%充電した後も充電する(過充電)や0%になっても放電を続ける(過放電)に注意する
・直射日光が当たらない場所に設置
・積雪のある場所は避けて設置するのが望ましい
・寒冷地では低温で蓄電池が停止することがあるので注意する
(種類によってはマイナス環境では蓄電池破損の可能性がある場合もあるため注意)
・屋内用、屋外用の蓄電池あり、屋内は室内のみ、屋外は外への設置が可能
まとめ
蓄電池の品質は年々上がってきていて、メーカーが公表している寿命年数やサイクル回数が過ぎても充電ができる容量の減少は少なくなってきています。
とはいっても、製品を選ぶときから、実際に蓄電池を導入する時も、設置する環境を把握しなければ蓄電池を導入する際に正しい選択ができません。
まずはご自宅の電気使用環境を知り、蓄電池を使用するイメージをもっておくことが大切ですね。