全世界で二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーに置換することが求められ、そうした背景から日本でも一般においても太陽光発電で暮らすという選択肢が強まってきている昨今。
そして太陽光発電を導入した際に、太陽光発電したエネルギーを効率よく無駄なく使用するために必要な選択肢となる蓄電池の導入。
蓄電池を導入するとどのくらい電力を貯めておくことができるのか、そもそも電力はどのくらい使用しているものなのか、皆さんの暮らしに合ったものを選んで使用したいですね。
蓄電池の容量
蓄電池は5kWh未満から16.6kWhまでラインナップがあり、基本的には蓄電容量の多さで蓄電池の価格も高くなると考えてよいでしょう。
蓄電量は多ければ多いほど良いと考えてしまいがちですが、家庭で使用できる蓄電池の最大蓄電量は消防法で16.6kWhまでと法律で決められています。
蓄電池の購入を考える際には、皆さんの生活で使用されている電力量を把握して、蓄電池の容量を絞り込むことが第一段階です。
また、蓄電池メーカーで記載されている定格容量は実際に貯めて使うことができる量と異なり、実効電力(実際に使用できる電気)は0.5kWh~1kWh程度少ないと考えましょう。
家庭で使用している電気量と考え方
1000W (ワット)=1kW(キロワット)
定格消費電力500Wの家電であれば、キロワットに換算すると0.5kWということになり、仮に5kWh容量の蓄電池がフル充電されている場合、その家電を10時間使用することができるということになります。
一般家庭で年間消費電力が約5,000kWh(キロワットアワー)と言われ、単純に通常年として365日で割ると1日の使用電力は13kWhになります。
太陽光発電と合わせて蓄電する場合、昼間や太陽光が出ている間は蓄電せずそのまま電力として使用できた余剰電力を蓄電する形になります。
【1日の使用電力は13kWhの場合】
仮に朝昼に8kWh電力を発電した電力を使用できている時、夜間使用する予定の7kWhは蓄電池に貯めておくことができれば自家発電した電気のみで暮らすことができます。
使用する家電の定格消費電力や生活スタイルによって異なる、昼夜の電力消費割合によっても違ってきます。
皆さんの生活電力を考えてみよう
皆さんが普段使用している電化製品は何ですか?
冷暖房エアコン、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、テレビ等、電気を使用するものはたくさんあります。
蓄電池を利用するには日常で利用するのはもちろんですが、自然災害時などで停電になった時などの非常時で考えるのが理想的です。
日常で使用している家電の中で、季節ごとに優先順位をつけて必要不可欠なものを割り出します。
そして必要な家電を使用するときの容量を知っておいてください。
春・夏必要な電力イメージ
・エアコンまたは扇風機 [年間 約360kWh、月間 約120kWh、1日 約4kWh]
※3か月程度、1日5時間冷房機能でエアコンを使用した場合
・冷蔵庫 [年間 約300kWh、月間 約25kWh、1日 約1kWh]
・電子レンジ [年間 約432kWh、月間 約36kWh、1日 約1.2kWh]
※1日1度、2分程度、温め機能レベルで使用した場合
・主要部屋のライト [年間 約756kWh、月間 約63kWh、1日 約2.1kWh]
※LED電球のライトで、1日5時間使用した場合
・洗濯機 [年間 約54kWh、月間 約4.5kWh、1日 約0.15kWh]
※1日1度最大量で使用した場合
一日合計 8.45kWh
秋・冬必要な電力イメージ
・エアコンまたは暖房機器[年間 約750kWh、月間150kWh、1日 約5kWh]
※5か月程度、1日5時間暖房機能でエアコンを使用した場合
・給湯器 [年間 約576kWh、月間 約48kWh、1日 約1.6kWh]
※1日2時間程度使用した場合
・電子レンジ [年間 約432kWh、月間 約36kWh、1日 約1.2kWh]
※1日1度、2分程度、温め機能レベルで使用した場合
・主要部屋のライト [年間 約756kWh、月間 約63kWh、1日 約2.1kWh]
※LED電球のライトで、1日5時間使用した場合
・洗濯機 [年間 約54kWh、月間 約4.5kWh、1日 約0.15kWh]
※1日1度最大量で使用した場合
一日合計 10.05kWh
上記は各季節ごとに、生活するのに必要な最低限の電力を使うとした場合の使用電力イメージ例です。
仮にこの電力を、日中は太陽光発電で発電した電力を使用し、余剰電力を蓄電池に取り貯め、夜間等に使用するとした場合のイメージをつけておくことが必要です。
蓄電池が貯めて置ける容量と、皆さんのライフスタイルで使用されている電力を照らし合わせてみると良いでしょう。
蓄電池を購入する前に、一度、皆さんの普段の使用電力と、非常事態に使用しなければいけないであろう家電の電力を容量を算出してみることが第一歩です。