太陽光発電に関係するFIT制度とは?

太陽光

国内でのエネルギー自給率の低さや地球温暖化などの世界的な問題から、再生可能エネルギーの自家産生が課題となり始まったFIT制度

原子力と火力での発電が大半を占めている日本の電源構成のうち、再生可能エネルギーの比率を2030年までに36~38%まで引き上げると、2021年10月、経済産業省資源エネルギー庁からの方針も示されました。

先進国と比べても日本のエネルギー自給率は低く推移していて、目下の課題となっています。

FIT制度とは何か、制度が始まり何が変化したのか見てみましょう。

FIT制度って何?

FITとは”Feed in Tariff(フィードインタリフ)”の略で、再生可能エネルギーの固定価格買取制度のことを言います。

これは、2009年に太陽光余剰電力の名称で取り組みがスタートしました。

国内で産出されること、そして二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーの需要が高まる中で、再生可能エネルギー産生導入を国が支援するため、2012年7月、FIT制度という名称で引き継がれました。

FIT制度が対象とするのは、太陽光、水力、火力、地熱、バイオマスの5種類によって生み出されるエネルギーです。

世界でも再生可能エネルギーの高い需要は同じで、2015年時点で110の国と地域でFIT制度が導入されていています。

再生可能エネルギーを、個人でも発電しやすい種類として太陽光発電があります。

年々太陽光発電導入費用が安くなってることやソーラーパネルの改良が進み、小さな屋根でも設置ができるようになってきたことから、FIT制度を利用し、太陽光発電を導入する個人の方も増えてきています。

FIT制度開始後の変化は?

FIT制度開始後、日本の電源構成で自然エネルギー全体(太陽光、水力、火力、地熱、バイオマス)でみると、2014年に12.1%だったものが2020年には20.8%に上昇。

太陽光発電は2014年、1.9%程だったものが、2020年には8.5%まで上昇しています。

日本国内でも自然エネルギー発電量が増えてきているとはいえ、いまだ火力発電が群を抜いていて、発電過程で二酸化炭素を多量に排出してしまう他、他国に資源輸入のほとんどを頼っていることなどが当面の課題点として挙げられます。

FIT制度は期限がある?

FIT制度開始時は、1kWh 48円という高額な固定金額で買い取りをしてもらえた電力ですが、年々買取価格は下落してきている他、FIT制度には10年という期限があります。

導入してから10年間は一定価格で買い取ることを国が補償してくれますが、該当期間終了間近になると、買取していた電力会社から通知が来ます。

この10年の固定価格買取期間が終わってしまうことを、通称、卒FITと呼びます。

卒FIT後は、売電価格や条件が大きく変わってくるため、今後どのように余剰電力を生かすか、よく検討することが必要になります。

FIT制度終了後はどうする?

ご家庭で太陽光発電を取り入れていた場合、卒FIT後はどのような手段があるのか見てみましょう。

1. 発電したエネルギーを自家消費する

自家発電した電力を売電する価格よりも、電力会社から電気を購入する価格の方が高額になってしまうことが一般的に多くあります。

その理由から、自家発電した電気は極力自家消費した方が経済的だと言えます。

発電した電気をできるだけ無駄なく使用するため、太陽光が出ている昼間に発電した電気を蓄電する必要がでてきます。

蓄電池を導入して自家発電した電力を貯めることができれば、買電しなければいけなかった早朝や夜の時間帯や季節に、効率的に蓄電したエネルギーを使用することができ、結果電力会社から買電することが少なくて済むようになります。

2. 電力会社へ売電する

FIT制度が終了した後も電力会社と契約し、余剰電力を買い取ってもらいます。

ただし、FIT制度期間中よりも買取価格は大幅にダウンしてしまいます。

自家電力を極力使用するとしても、少なからず余剰電気は出てしまうことが多いはずです。

これまで契約してきた電力会社とそのまま契約継続するか、他の電力会社と契約するか条件も様々ですので比較検討してみましょう。

2016年4月から電力の全面小売り自由化されたことで、電気を購入する個人が自由に会社や料金メニューを選べるようになりました。

そのため、売電するエネルギーの価格も業者や状況によってさまざまな違いがあるのです。

まとめ

日本が自然エネルギーの活用を進めている今、FIT制度を利用すること、そして卒FIT後の手段もきちんと検討していくことが大切になります。

個人でも、自然エネルギーを十分に活用して、サステナブルな資源へと変えていくことが必要とされていますね。

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