最近では生活の身近なところに様々なソーラーパネルが使用されていますが、日本での太陽光発電の歴史はどのくらいなのでしょうか?
日本で初めて住宅用の太陽光発電用ソーラーパネルが発売されたのは1993年。
その当時は開発されたばかりのため、設置も材料もすべてが高価で、一般の人が取り入れるには手が出せない価格でした。
今では、電気代を自家発電するという選択肢の一つに考えられるほど身近になってきた太陽光発電はこれまでどのように普及してきたのでしょうか?
太陽光発電が身近になるまで
第一次オイルショックが起きた1973年の日本。
それまでの日本は、中東諸国から石油の輸入をほとんどを頼り、エネルギーの供給も石油による発電方法が大半を占めていました。
当時、中東諸国で起きた紛争などの影響により原油価格は約4倍まで跳ね上がり、そして石油関連商品までもが値上がり、トイレットペーパーなどの石油関連商品などがなくなるなどの噂の広がりや報道から日本の市場が混乱に陥りました。
そしてまた、1980年に2度目のオイルショックが起こり、この頃には石油節約運動という名目で、いろいろな自粛活動が国民へ呼びかけられました。
これが省エネルギー、いわゆる省エネの始まりです。
同時に、エネルギーのほとんどを、このまま輸入石油に頼っていてはいけないと国が本格的に動いたのです。
これがサンシャイン計画と呼ばれ、環境保全の意と新エネルギーによるエネルギー需給安定等を目的に、石油の代替えエネルギーとして太陽光発電開発と利用もすすめられました。
どのくらい普及したの?
サンシャイン計画が策定されてからも住宅用のソーラーパネルはまだ高価で、普及はなかなか進みませんでしたが、1994年に初めて住宅用太陽光発電の設置に補助金制度がスタートし普及が進みました。
また、2009年に余剰電力買取制度(のちのFIT制度)がスタートし、さらに普及する後押しとなりました。
10Kwhの住宅用太陽光発電の導入件数は、2018年は約15,000件だったのが、2019年には約2,600,000件まで普及しています。
日本が目指す太陽光発電の普及
個人が売電する、個人が災害に備えて蓄電するなどの考えが普及してきたとは言え、まだまだ進めるべき目標が日本にはあります。
1. カーボンニュートラル宣言
この宣言は、2020年10月に、2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにするというものです。
これは日本だけでなく、世界124か国、1地域がこの実現を表明しています。
カーボンニュートラル宣言を達成するためにも、二酸化炭素の排出のないクリーンなエネルギーである太陽光発電をさらに普及させていく必要があることがわかりますね。
2. エネルギー基本計画
2021年10月に閣議決定された計画内では、2019年に約18%だった再生可能エネルギーの比率を2030年度までに36~38%まで引き上げるとされています。
この内、太陽光発電は2019年に6.7%だったものを14~16%まで引き上げることを掲げています。
環境省では、住宅用太陽光発電の普及を進めると同時に、地方自治体や民間企業が建物の屋根や駐車場にソーラーパネルを設置し、その建物で太陽光発電したエネルギーを自家消費するよう、太陽光発電の導入を推奨しています。
3. その他
海外に比べて自然災害が多いと言われている日本。
台風や地震など災害によって停電になってしまうことがあります。
2011年に起きた東日本大震災では津波による大災害、そして地震の影響で原子力発電の事故にもつながり日本全土が災害の脅威にさらされました。
同時に、生きる上で欠かすことのできない電気・ガス・水道の生活インフラが停止し、エネルギーの大切さを身をもって知りました。
このきっかけも相まって、非常時に電気を備えたいという声が広がり太陽光発電ブームともいえる普及につながりました。
災害が多いとされる日本で太陽光発電を導入し、災害時に備えることがとても大きな目的となってきたのです。
まとめ
世界的に、そして地球規模でクリーンなエネルギーが求められる今、太陽光発電はまだまだ需給が高まります。
これまで再生可能エネルギー産出導入を日本でも進められてきましたが、地球規模の環境保全の目線で考えるとまだまだ進めていかなければいけない課題が多くあります。
自然災害も身近になってきた昨今、まずは再生エネルギーとは何か情報収集をして、個人で進められることを始めてみてはいかがでしょうか?
太陽光発電の導入も方法の一つです。
普及が進んできた太陽光発電をどうやって活用していけるのか、太陽光発電で生み出されたエネルギーをどのように無駄なく使うか考えてみましょう。