V2Hって聞いたことはあるけれどよくわかっていない、そのような方も多いのではないでしょうか?
家庭用蓄電池とどんな違いがあるのか、電気自動車を乗っていたら導入した方が良いのか、導入するのはどんな条件の時が良いのか、詳しく見ていきましょう。
V2Hって何?
電気自動車やプラグインハイブリット車と連動させて大容量バッテリーを住宅で活用するためのシステムのことで、Vehicle to Home(ビークルトゥホーム)の略でV2Hと呼ばれ、日本語で「車から家へ」の意味です。
太陽光発電導入後の卒FITを迎えた方や防災対策、備えとして注目されています。
V2Hは容量が大きく、定格出力3000~6000wあるため、自宅の電力として使用するときは一度に多くの電化製品を使うことができます。
系統連系タイプ
太陽光発電で作られた電力、電気自動車のバッテリー、電力会社から供給される電気、3つを共有で使用できるタイプのV2Hです。
系統非連系タイプよりも蓄電容量が大きいのが特徴です。
系統非連系タイプ
電力会社から購入した電力を貯めておくことができるタイプのV2Hです。
充電はコンセントにつないで行い、使うときはV2H充電機器から使用する家電等を直接つないで使用します。
家庭の分電盤を介さないため非連系と呼ばれます。
V2Hのメリット
1.非常用・災害時の備えになる
地震や台風などの自然災害が起きた時、停電によって急に不自由な暮らしを強いられることも他人事ではない時代です。
V2Hを介して太陽光発電で貯めたエネルギーを EV(電気自動車)などのバッテリーへ大容量蓄電しておくことができるため、いざというとき停電しても数日は安心して暮らすことができます。
2. 電気代の節約
系統連系タイプのV2Hでは、家庭用太陽光発電で作られたエネルギーを家でも、EV(電気自動車)でも利用できるため電気代の節約になります。
V2Hは夜間など、発電できない時でも、日中の晴天時等の発電可能な時に発電した余剰電気を EV(電気自動車)のバッテリーへと貯めておくことができます。
さらに、家庭用蓄電池よりも蓄電できる容量が大きいのも電気代の節約へとつながる理由の一つです。
3. 充電時間が短い
V2Hを導入して EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリット自動車)へ充電する場合、家庭用コンセントから充電するよりも充電時間が大幅に短縮されることがメリットとして挙げられます。
200Vの家庭用コンセントを使用して充電する場合と比べて、V2Hを介して充電すると約半分の時間で充電することができます。
費用はどのくらいかかる?
まず初めに、V2Hを導入する際は、V2H本体費用と設置工事の費用がかかります。
本体費用
太陽光発電した電力と EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリット自動車)、電力会社から購入した電力、3つ連携して使うことができる「系統連系タイプ」と、電力会社から購入した電力のみを使用する「系統非連系タイプ」があり、「系統連系タイプ」の方が高価になります。
蓄電した電気を自宅全体で使用できる「全負荷型」、設置前に指定した特定の場所のみで使用できるおが「特定負荷型」ですが「全負荷型」の方が本体価格は高価になります。
価格はメーカによってさまざまで国内では約40~200万円までラインナップがあります(2022年現在)。
設置費用
立地や導入モデルによっても異なりますが30~40万円が相場です。
内容はV2Hを通じて屋内で使えるようにする工事が行われます。
・V2H本体と屋内の配電盤をつなぐ通線工事
・切り替えのスイッチやブレーカーの取り付け
・V2H本体の設置
・V2H本体と分電盤の接続
・設定の確認と動作確認
太陽光発電もV2Hも再生可能なクリーンエネルギーを使用することにつながるため、導入補助金が期待できる場合があります。
導入をお考えの場合は一度情報をチェックしてみてくださいね。
V2H導入ステップ
V2H機器を導入するには機器の選定や業者選定など様々あり、どのくらいの期間がかかるかも進める前に情報を確認してみましょう。
1. V2H機器の選定
メーカーの選定、系統連系タイプ系か非連系タイプの選定、特定負荷型か全負荷型の選定など、皆さんのご希望に合った機器の選定を行います。
2. 施行業者の現場調査
設置するスペースの有無や通線工事の内容確認、家から駐車場までの距離の確認など、業者さんに現場してもらう必要があります。
3 工事契約と設置工事
V2H機器を個人で利用する場合にもいろいろな申請が必要になりますが、工事契約した後に業者さんが申請まで含めて進めてもらえます。
太陽光発電を導入している場合とまだしていない場合、申請期間が異なりV2H機器が実際に使用できるまで最大で半年程度かかる場合があります。
まとめ
EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリット自動車)を乗っている場合や、太陽光発電を導入している場合、補助金を活用しながらV2Hを導入するのも一つです。
値上がりが続く電気を自家で生み出し、エコな電力を使用するこれからの時代にぴったりの選択かもしれません。