家庭用蓄電池の容量別の値段相場は?選び方のポイントや補助金制度の活用方法も

家庭用蓄電池の容量別の値段相場は?選び方のポイントや補助金制度の活用方法も 蓄電池

蓄電池の値段ってどれくらい?
自宅に合った蓄電池の選び方は?
導入費用を安くすることは可能?

家庭用蓄電池の導入を検討している方のなかには、このような疑問をお持ちの方も多いでしょう。

電気代の削減と災害時の備えを両立できる手段として、家庭用蓄電池が注目されています。一方で、容量や値段の違いがわかりづらく、どれを選べばよいのか迷う方も少なくありません。

自宅に合った蓄電池を選ぶことで、電気代の負担を減らしつつ、非常時にも安心して生活できます。補助金を活用すれば初期費用を抑えることも可能です。

この記事では、容量別の蓄電池の値段相場や選び方のポイント、補助金制度の活用方法をわかりやすく解説します。

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【容量別】家庭用蓄電池の値段相場

【容量別】家庭用蓄電池の値段相場

家庭用蓄電池は、容量に応じて「コンパクトモデル」「中容量帯モデル」「大容量モデル」の3タイプにわけられます。

タイプ容量の目安本体価格の相場
コンパクトモデル1~5kWh90~150万円
中容量モデル5~10kWh150~180万円
大容量モデル10kWh~180~250万円

それぞれの値段相場を詳しく見ていきましょう。

コンパクトモデル(1~5kWh)

1~5kWhの蓄電池は、単身~2人暮らしのご家庭や、停電時の最低限の電源確保を目的とする方に向いています。

コンパクトモデル(1~5kWh)の値段相場:90~150万円

冷蔵庫や照明、スマートフォンの充電など、生活に必要な家電を数時間~半日程度使用することが可能です。

また、小型で軽量なモデルが多く、設置スペースに余裕がない住宅にも対応しやすいでしょう。

主な用途
  • 1~2人世帯の住宅
  • 停電が起きた際の最低限の電力確保
  • 小規模な太陽光発電の余剰電力を有効活用

中容量モデル(5~10kWh)

5~10kWhの蓄電池は、最も選ばれている容量帯です。3~4人家族の生活電力をまかなえ、停電時でも数時間~1日程度は生活できます。

中容量モデル(5~10kWh)の値段相場:150~180万円

太陽光発電と併用すれば、昼の余剰電力を夜に使用できるため、自家消費率向上や電気代節約につながります。

主な用途
  • 3~4人世帯の住宅
  • 昼間に発電した電気の余剰分を自家消費
  • 電気代が高い時間帯の電力使用量を抑制

大容量モデル(10kWh~)

10kWh以上の大容量モデルは、オール電化住宅やEVの充放電を行いたいご家庭に向いています。

大容量モデル(10kWh~)の値段相場:180~250万円

停電時でもIHやエコキュートなど高負荷家電が使えるため、オール電化住宅における災害時の備えとして最適です。

また、V2Hシステムを導入すれば、EVと家庭の間で電力を双方向に活用できるようになります。

主な用途
  • オール電化住宅
  • EVと連携して電力を融通
  • 停電時にも長時間の電力を確保

1kWhあたりの値段相場

蓄電池は容量が大きいほど本体価格は高くなりますが、1kWhあたりの単価は下がる傾向があります。
この「スケールメリット」により、長期運用では大容量モデルが割安になるケースもあるでしょう。

蓄電容量本体価格の目安1kWhあたりの単価
5kWh90~150万円約18~30万円/kWh
6.4kWh約140万円約21.9万円/kWh
7.0kWh約150万円約21.4万円/kWh
7.5kWh約170万円約22.7万円/kWh
8.0kWh約180万円約22.5万円/kWh

蓄電池の値段を比較する際は、本体価格だけでなく1kWhあたりの単価を比べてみることも重要です。

家庭用蓄電池の容量はどのように決める?

家庭用蓄電池の容量はどのように決める?

蓄電池の容量は製品ごとに大きな幅があるため、自宅の蓄電池にどのくらいの容量が必要なのかを見極めなければなりません。

容量を決める際に知っておきたいポイントをまとめました。

蓄電池の容量とは

蓄電池には、容量を示す指標として、定格容量実効容量の2種類があります。これらの違いを理解していないと、「思ったより電気が使えない」というギャップが起きやすいため注意が必要です。

項目定格容量実効容量
意味理論上蓄えられる最大電力量実際に使用できる電力量
表示カタログに記載される容量定格容量より少なめ
判断に使う場面製品同士のスペック比較どれくらい家電を使えるかの目安
差が生じる理由設計上の理論値劣化防止・安全確保のため制限あり

購入検討時は実効容量を重視することが大切です。

蓄電池の容量の単位

蓄電池の容量は、どれだけの電気を蓄えられるかを示す電力量の単位「kWh(キロワットアワー)」で表されます。

  • kW:電力(瞬間的な電気の強さ)
  • h:時間
  • kWh:電力×時間(合計で使った電気の量)

また、容量(kWh)と出力(kW)は別物です。どれだけ蓄電できても、一度に取り出せる電力量(出力)が小さければ、家電を同時に使えないことがあります。

kWh:蓄えられる電力量(容量)
kW:一度に供給できる電力(出力)

例:容量10kWh/出力3kWの蓄電池
→ 最大3kWの家電を同時使用した場合
→ 使い切りまで約3.3時間(10÷3)

蓄電池に必要な容量の目安

家庭用蓄電池の最適な容量は、世帯人数・在宅時間・電化製品の使い方・太陽光発電の有無などによって変わります。

容量が大きいほど安心ではありますが、その分コストも上がるため、過不足のない容量選びが大切です。

家庭のタイプ容量の目安ポイント
1~2人暮らし約4~6kWh在宅時間が夜間に限られる共働き世帯なら十分
停電時の最低限の電力も確保できる
3~4人家族約6~10kWh朝夕に電力のピークがくる場合にも対応
8kWhあれば停電時も6~8時間は安心
オール電化住宅10kWh以上
(推奨10~13kWh)
IHやエコキュートへの対応に200V出力必須
高出力タイプがおすすめ
太陽光発電併用余剰電力量に応じて選定売電より自家消費の方が得になるケースが増加中
最適な容量を判断するポイント
  • 在宅時間が長いご家庭や冷暖房が多いご家庭は余裕のある容量に
  • 家電の同時使用が多いご家庭は出力(kW)もあわせて確認
  • 太陽光発電があるご家庭は「余剰電力をどれだけ使うか」が基準

蓄電池の容量の選び方

蓄電池の容量を決める際は、以下に挙げるポイントを意識すると失敗しにくくなります。

容量の選び方|失敗しないためのポイント
  • 使用目的を明確にする:災害対策か、節電か、太陽光発電の活用かで、必要な容量は大きく変わる。「何のために使うのか」を最初に決めると過不足を防げる。
  • 日常の電力使用量を把握する:同時に使う家電に必要な電力量を概算し、実際に使う量に見合った容量を選ぶ。
  • 将来の変化も見据える:家族構成や在宅時間の変化、EV導入などで電力需要は変わる。容量に余裕を持たせると将来的な買い替えのリスクが減る。
  • 価格と容量のバランスを確認する:容量が大きいほど高額になるため、必要量に応じて選ぶ。1kWhあたりの単価も比較すると判断しやすい。

容量・出力以外に見るべき蓄電池のスペック

容量・出力以外に見るべき蓄電池のスペック

蓄電池を比較する際は、「ハイブリッドタイプかどうか」「グリーンモードがついているか」の2点も確認しましょう。それぞれのポイントを解説します。

単機能型かハイブリッド型か

単機能型かハイブリッド型か

蓄電池には、大きく分けて単機能型とハイブリッド型の2種類があります。

  • 単機能型:太陽光発電との併用時には別途パワコンの購入が必要
  • ハイブリッド型:パワコンの機能も内蔵しているタイプ

パワコン(パワーコンディショナー)とは、太陽光発電でつくられた直流電力を、家庭で使える交流電力に変換する装置です。

太陽光発電の同時購入や将来的な利用を考えている方は、パワコンを別途購入する必要がないハイブリッド型の蓄電池が適しています。

グリーンモードの有無

グリーンモードとは、太陽光発電でつくった電気を優先的に家庭内で使い、余った分を蓄電池にためておける運転モードです。発電した電力は、売電よりも先に自家消費用の蓄電池にためることを優先します。

自家消費を重視するモードであり、電力会社からの購入電力を減らし、電気代節約と環境負荷低減の両方を目指します。太陽光で発電した電気を無駄なく使いたい方や、卒FIT後の売電価格が下がった方におすすめです。

蓄電池選びのチェックポイント

蓄電池選びのチェックポイント

蓄電池は長期的に使う設備であるため、価格だけで判断するのではなく、設置環境・目的・費用・サポートの4点をしっかり確認することが大切です。

導入後に「使い勝手が悪い」「思ったほど節約できない」などと後悔しないために、以下のポイントを押さえておきましょう。

設置スペース・設置条件

蓄電池には屋外設置タイプ屋内設置タイプがあり、必要なスペースや防水性能が異なります。

設置環境に合わないタイプを選ぶと、故障リスクが高まったり追加費用が発生したりすることがあるため、導入前に次の点をしっかりと確認しましょう。

確認すべき点
  • 設置場所の寸法:本体サイズに加えて配線や点検用の余裕スペースを確保できるか
  • 防水・防塵性能(屋外設置の場合):雨風や塩害に耐えられる性能を満たしているか
  • 地域に合った耐風・耐震性:地域の気候や災害リスクに対応しているか
  • メンテナンス時の作業スペース確保:故障時に作業できるだけのスペースをとれるか

使用目的に合った機能

蓄電池は導入の目的によって必要な性能が異なるため、優先したい目的を整理することが大切です。

蓄電池を導入する主な目的
  • 停電対策:災害時でも冷蔵庫・照明・通信機器などを使えるように備える
  • 電気代削減:ためておいた電気を電気料金が高い時間帯に使う
  • 太陽光併用との併用:自家発電した電気を蓄電池にため、発電できない時間帯に使う
使用目的に合った機能
  • 停電対策重視:全負荷対応型、長時間稼働可能な大容量
  • 電気代削減:経済モード、ピークシフト対応
  • 太陽光発電との併用:ハイブリッド型、優先充放電設定、グリーンモード

初期費用・ランニングコスト

蓄電池には、本体価格だけでなく初期費用やランニングコストもかかります。予算を検討する際は、総額で判断することが重要です。

費用項目目安金額
設置工事費20万~40万円
ランニングコスト1~3万円/年(メンテナンス費)

なお、蓄電池は「出力保証(容量維持率)」が長いほど、長期にわたり経済的に利用できます。

出力保証(容量維持率)とは?

蓄電池は年数が経つほど少しずつ劣化し、実効容量が減っていきます。そのため、メーカーは「10年で最低60%の容量を維持します」といった保証をつけています。

保証期間・サポート内容

蓄電池の一般的な寿命は10~15年です。長く使い続ける設備だからこそ、故障時にしっかり対応してもらえるか、保証の手厚さやサポート体制まで含めて比較しましょう。

比較ポイント
  • 製品保証:10~15年が一般的
  • 容量維持率保証(出力保証):10年後に60%以上維持が目安
  • サポート体制:24時間365日対応や故障時の迅速な対応があるか
  • 販売・施工業者:実績や口コミ評価、定期点検の有無を確認

蓄電池は太陽光発電との同時導入がおすすめ

蓄電池は太陽光発電との同時導入がおすすめ

蓄電池の導入を検討しているなら、太陽光発電も一緒に設置するのがおすすめです。同時導入のメリットや費用について解説します。

蓄電池+太陽光の同時導入のメリット

家庭用の太陽光発電を導入すれば、自家発電した電気を自宅で使えるようになるため、電気代の削減につながります。ただし、電気代がかからないのは自家発電中の時間帯のみです。

一方、蓄電池も併用することで、余剰電力を蓄電池にためておけます。ためた電気を自家発電できない時間帯に使えば、本来なら電気を購入しなければならない夜間も電気代がかかりません。

太陽光発電の売電価格は年々下がっており、以前に比べ売電収入の魅力がなくなってきています。今後は、電力の自家消費を重視した活用方法が主流になっていくでしょう。

太陽光発電は後から導入することも可能ですが、蓄電池と一緒に導入すれば、以下のようなメリットを得られます。

蓄電池+太陽光を同時導入するメリット
  • 設置工事が1回で済む(施工費を節約できる)
  • 同時導入が補助金の条件になりやすい(実質的な負担を減らせる)

蓄電池+太陽光の導入費用と値段相場

蓄電池と太陽光発電を同時に導入する場合、総額180万~300万円が一般的な相場とされています。

設備容量の目安費用相場(機器+工事費)
太陽光発電システム4~5kW約90~140万円
蓄電池システム6~10kWh約100~160万円
その他費用(設計・パワコンなど)約10~20万円
合計の目安約180~300万円

地域や屋根の形状、配線距離などにより、費用は変わります。

業者を1社に絞ってしまうと、見積もり金額が適正なのか判断しにくくなります。複数の業者から相見積もりを取り、費用の内訳まできちんと比較しましょう。

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補助金を活用して費用を節約する方法

補助金を活用して費用を節約する方法

家庭用蓄電池にかかる費用は、補助金の活用で節約できる可能性があります。主な補助金制度や申請手続きの流れを確認しましょう。

国・自治体の主な補助金制度

国が実施している補助金制度として、「DR家庭用蓄電池事業」というものがあります。DRへの活用が可能な家庭用蓄電池の導入を支援し、再エネ設備の導入加速と電力の安定供給を図る事業です。
※2025年度は予算上限に達したことにより、すでに終了しています。

補助額の上限は1申請あたり最大60万円、対象経費は蓄電システムの機器代や設置にかかる工事費・据付費となっています。(出典:DR家庭用蓄電池事業

また、国だけでなく各自治体でも、蓄電池の本体費用や工事費を補助する制度を用意しているケースがあります。

たとえば、東京都品川区では、「しながわゼロカーボンアクション助成」という事業を実施しています。

太陽光発電システムに最大20万円、蓄電池に最大30万円が補助される制度です。

(出典:しながわゼロカーボンアクション助成

国と自治体の補助金を併用すれば、導入費用の大部分をカバーできる可能性もあります。

補助金の申請方法と受給までの流れ

大半の補助金制度では、着工前の手続きが必須です。申請手続きの一般的な流れを以下にまとめました。

申請手続きの一般的な流れ
  1. 補助金制度の内容(対象条件・金額・実施期間)を公式情報で確認
  2. 設置予定の機器や工事内容が補助の対象になっているか確認
  3. 施工業者に相談し、必要書類(仕様書・見積書など)を準備
  4. 指定方法(オンライン・郵送・窓口)で申請
  5. 交付決定通知を受けてから工事を開始
  6. 設置完了後、実績報告書や領収書を提出
  7. 支払い手続き後、補助金を受領

補助金を受け取れるまで数カ月かかることもあるため、スケジュールに余裕を持って手続きを進めましょう。

最新の補助金情報の収集方法

最新の補助金情報を確実に把握するための方法を押さえておきましょう。

  • 経済産業省・環境省など省庁の公式サイトを確認
  • 都道府県・市区町村の公式ホームページを確認
  • 施工業者・販売会社へ相談し最新の制度を確認
  • エネルギー系ポータルサイト・比較サイトを活用
  • 「◯◯市 太陽光 蓄電池 補助金」などのキーワード検索

毎月1回程度チェックする習慣をつけておくと、補助金の最新情報を逃さず安心です。

蓄電池の値段相場まとめ

蓄電池の値段相場まとめ

家庭用蓄電池は、停電時の安心と電気代の節約を両立できる設備です。

容量が大きいほど高額になりますが、1kWhあたりの単価は下がる傾向があります。

家族構成や太陽光の有無などにより、適切な容量が変わるため、目的を明確にして選ぶことが大切です。

この記事のポイント
  • 容量別の本体価格相場は90万~250万円
  • 1kWhあたりの単価も比較の材料になる
  • 設置目的によって最適な容量が変わる
  • 太陽光との併用では単機能型よりハイブリッド型が便利
  • 太陽光発電と同時設置で工事費削減や補助金活用がしやすい
  • 国や自治体の補助金活用で負担を抑えられるケースがある
  • 業者間で数十万円の差が出ることがあるため、費用比較は必須

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