松江市(島根県)が目指すのは国際文化観光都市の脱炭素化!温泉・松江城・遊覧船で進めるカーボンニュートラル観光

松江市(島根県)が目指すのは国際文化観光都市の脱炭素化!温泉・松江城・遊覧船で進めるカーボンニュートラル観光 脱炭素先行地域の紹介

島根県東部に位置する松江市は、宍道湖と中海にはさまれた「水の都」と呼ばれるまちです。松平氏の城下町として栄え、1951年には京都市・奈良市とともに「国際文化観光都市」に指定されています。

代表的な観光エリアである、松江城周辺・松江しんじ湖温泉・玉造温泉・美保関の4エリアで、松江市は脱炭素先行地域に挑みました。脱炭素化による観光地としての差別化を図り、「住んでよし・訪れてよし」の観光都市を目指すためです。

ただし、太陽光発電設備などの導入は景観を損なうおそれがあり、脱炭素化と観光地としての魅力向上の両立は簡単な道のりではありません。

松江市はこの挑戦に対し、松江城周辺や温泉街での再エネ導入、堀川遊覧船の電動化といった取り組みを重ね、「カーボンニュートラル観光」の実現を目指しています。

松江市ご担当者様からのメッセージ

今後も企業連携による観光資源の脱炭素化を実現し、松江のブランド力の向上を図り、「世界から選ばれる・世界中から人が集まる・世界に誇れる」持続可能な観光のまちづくりを目指します。
住んでよし・訪れてよしの観光都市を目指す本市の挑戦が、全国の自治体にとって大きなヒントとなるよう願っておりますし、その達成に向けて邁進してまいります。

松江市が脱炭素先行地域になるまでの歩み

松江市が脱炭素先行地域になるまでの歩み
出典:環境省

松江市は、脱炭素社会の実現に向けて、計画の策定や地元企業との連携などを段階的に進めてきました。

松江市における脱炭素の主な取り組み
  • 令和2年12月:「ゼロカーボンシティ」を表明
  • 令和3年3月:松江市環境基本計画を策定し、脱炭素社会の実現を重点目標に設定
  • 令和4年6月:地元企業とカーボンニュートラルに関する連携協定を締結
  • 令和5年3月:松江市再生可能エネルギービジョンを策定

これらの取り組みを経て、令和5年4月28日には環境省の「脱炭素先行地域」(第3回)に選定されています。

脱炭素先行地域に選定された松江市の計画
  • 計画の名称
    「国際文化観光都市・松江」の脱炭素化による魅力的なまちづくり ~カーボンニュートラル観光~
  • 計画の内容
    国宝松江城周辺・松江しんじ湖温泉・玉造温泉・美保関観光旅館の4つの観光エリアを対象に、再生可能エネルギー由来の電力供給や温泉施設の省エネ化、堀川遊覧船の電動化などを進め、「住んでよし・訪れてよし」の国際文化観光都市を目指す計画です。松江市が計画主体となり、株式会社山陰合同銀行や中国電力株式会社、西日本旅客鉄道株式会社など12者の共同提案者が参画しています。

出典:松江市第2期SDGs未来都市計画(2026~2030)
出典:地域脱炭素フォーラム資料

松江市が進める脱炭素の具体的な取り組み

松江市が進める脱炭素の具体的な取り組み
松江しんじ湖温泉
出典:松江観光協会

松江市の脱炭素まちづくりでは、4つの観光エリアへの再生可能エネルギー由来電力の供給を軸に、温泉施設の省エネ化や観光モビリティの電動化などを進めています。

出典:松江市脱炭素先行地域での取組の概要について
出典:地域脱炭素フォーラム資料

景観に配慮した再エネ導入で4つの観光エリアを脱炭素化

松江市では、国宝松江城周辺・松江しんじ湖温泉・玉造温泉・美保関観光旅館の4エリアに、100%再生可能エネルギー由来の電力を供給する計画です。市有遊休地を活用したオフサイトPPAや、建物の屋根・ソーラーカーポートを活用したオンサイトPPAなどを組み合わせます。

景観規制によって太陽光発電設備の設置が難しいエリアには、市の環境価値を活用した電力プランを造成し対象エリアへ供給する「松江プラン」を活用します。

温泉施設の省エネ化と排熱利用で温泉地を脱炭素化

松江しんじ湖温泉と玉造温泉では、温泉給湯設備の脱炭素化や省エネ機器への転換を進めます。高効率ヒートポンプ給湯システムや高効率照明機器を導入するほか、温泉排水の熱を回収して熱源として再利用する計画です。

また、両温泉地では公民館へのV2H導入も計画されています。観光客の避難所としての活用を想定し、電気自動車などに蓄えた電力を建物で利用できる環境を整えます。

堀川遊覧船の電動化で観光モビリティを脱炭素化

堀川遊覧船の電動化で観光モビリティを脱炭素化
画像提供:松江市

松江城周辺では、電動小型モビリティの導入と堀川遊覧船の電動化を進めています。

堀川遊覧船では、2023年8月に小型船舶向け電動推進機の実証運行を開始し、2024年4月から一般運行が始まりました。

美保関では、再生可能エネルギーの導入や省エネ機器への転換に加え、グリーンスローモビリティの導入も計画されています。観光地の移動手段を電動化し、観光に関わるCO2排出量の削減を進めます。

松江市の脱炭素まちづくりまとめ

松江市の脱炭素まちづくりまとめ
出典:松江城

松江市が目指しているのは、観光都市として培ってきた魅力を生かしながら脱炭素化を進める「カーボンニュートラル観光」です。脱炭素先行地域では、4つの観光エリアへの再生可能エネルギー由来の電力供給を軸に、温泉施設の省エネ化や堀川遊覧船の電動化などを組み合わせています。

また、太陽光発電設備の導入が難しい景観規制区域には「松江プラン」を活用し、企業との連携によるカーボンニュートラルツアーの企画も進めています。観光地の景観や文化を守りながら、脱炭素そのものを観光の価値につなげていく点が、松江市のまちづくりの大きな方向性です。

これらの取り組みを通じて、松江市は「住んでよし・訪れてよし」の国際文化観光都市を、脱炭素の面からさらに発展させようとしています。

監修者
エコ×エネ編集部

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【保有資格】太陽光発電アドバイザー(2025年取得)/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(2021年取得)

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