ペロブスカイト太陽電池とは?実用化を待った方がいい?メリットや今後の課題を解説!

太陽光

「ペロブスカイト太陽電池」って最近よく聞くけど、どんなもの?
シリコンパネルと何が違うの?今つけるのと、少し待つのはどっちが得なの?

ペロブスカイト太陽電池は、これまで主流だったシリコン型とは異なる素材を用いた次世代型の太陽電池です。軽量・低コスト・高感度といった特徴があり、建物の壁や窓にも設置できる新しいエネルギー技術として注目されています。

とはいえ、まだ耐久性や量産化、安全性の課題が残っており、実用化は2030年前後といわれています。

「今つけるべきか、ペロブスカイトを待つべきか」迷っている方も多いのではないでしょうか。
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この記事では、ペロブスカイト太陽電池の仕組み・メリット・課題をわかりやすく解説し、今導入すべきかどうかの判断ポイントをお伝えします。

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ペロブスカイト太陽電池とは?

ペロブスカイト太陽電池は、これまで主流だったシリコン型とは異なる素材を使った新しいタイプの太陽電池です。

ペロブスカイトとは?
「ペロブスカイト」という名前は、ロシアのウラル山脈で見つかった鉱物に由来しています。この鉱物と同じ結晶構造を持つ化合物は、人工的に合成できるのが特徴です。現在では数百種類もの組み合わせが研究されており、より高い性能や安定性を目指して研究が進められています。

ペロブスカイト太陽電池は、非常に薄くて軽いのが特徴です。

項目シリコン型太陽電池ペロブスカイト型太陽電池
結晶の厚さ150〜200マイクロメートル0.5〜1マイクロメートル
素材の特徴硬くて割れやすい薄くて軽く、柔軟に曲げられる
光の吸収力弱いため厚みが必要強いため薄くても発電できる
製造工程高温・多工程が必要低温プロセスで製造可能

さらに、低い温度で製造できるため、エネルギーをあまり使わずに生産できる点も特徴です。その結果、製造コストはシリコン型の3分の1から5分の1程度に抑えられると見込まれています。

環境への負担を減らしながらコストも下げられるという点で、次世代の太陽電池として期待されています。

日本の大学と企業が開発をリード

ペロブスカイト太陽電池は、日本で誕生した環境にやさい太陽電池です。2009年、桐蔭横浜大学の宮坂力教授らが初めて発表し、それ以来、国内外で研究が進められてきました。

2024年には、京都大学とオックスフォード大学の共同研究チームが「タンデム型」と呼ばれる構造で変換効率29.7%を達成しました。これは、現在の住宅用シリコン太陽電池(およそ22〜23%)を上回る高い数値です。
出典:ペロブスカイト太陽電池で世界最高クラスの発電効率達成、オックスフォード大と京大の研究が融合

企業の取り組みも活発で、積水化学工業は2030年の量産化を目指して新会社「積水ソーラーフィルム株式会社」を設立しました。研究と産業化が同時に進んでおり、日本が世界をリードする動きが加速しています。
出典:積水化学工業の量産化発表(東洋経済オンライン

日本企業がリードする新技術として、今後の成長を応援したいですね。

ペロブスカイト太陽電池のメリット

ペロブスカイト太陽電池のメリット

軽くて薄いから設置できる場所が広がる

ペロブスカイト太陽電池は、シリコン型と比べて薄く軽いのが特徴です。

種類厚さ重さ
シリコン太陽電池約30〜40mm62.5 g/W
ペロブスカイト太陽電池約31μm(0.031mm)2.5 g/W以下
比較約100分の1以下約25分の1以下
出典:株式会社エネコートテクノロジーズ「ペロブスカイト太陽電池で目指すグリーンエネルギー社会の実現」

これまで設置が難しかった木造住宅・軽量屋根・外壁・カーブした面にも取り付けが可能になります。

建物への負担が少ないうえ、デザイン性を損なわずに発電できるのも魅力です。

弱い光でも発電できる高感度設計

ペロブスカイト太陽電池は、太陽の強い直射日光がなくても発電できます。曇りの日や室内など、明るさが弱い環境でも電気を生み出す性能を持っています。

そのため、屋外の太陽光だけでなく、ビルの窓や日当たりの悪い場所、屋内の光を活用する用途にも応用が期待されています。

弱い光にも反応できる点は、設置場所の自由度や利用シーンを広げるメリットにつながります。

低コストで製造・発電ができる

ペロブスカイト太陽電池は、塗布や印刷のような簡易な工程で作ることができるため、従来よりも低コストで量産できると期待されています。高温処理が不要で、製造にかかるエネルギーも少なく、材料の使用量もシリコン型の約1/20に抑えられます。

経済産業省の試算では、将来的に発電コストを10円/kWh前後まで下げられる可能性があるとされ、コスト面でも実用化への期待が高まっています。

出典:経済産業省「次世代太陽電池戦略」

国内の材料を使えるから安定供給が可能

ペロブスカイト太陽電池の主な原料のひとつ「ヨウ素」は、日本が世界第2位の生産国です。世界シェアは約30%にのぼり、埋蔵量でも日本が世界最大規模といわれています。

これにより、海外からの輸入に頼らずに安定した材料供給が可能になり、国際情勢や価格変動の影響を受けにくくなります。エネルギーの自給率を高めるという意味でも、国内生産の強みが活かせる技術です。

参照:産経新聞「世界シェア2割強の「ヨウ素」、高付加価値化に期待」

デザイン性が高く、環境にもやさしい

ペロブスカイト太陽電池は、色や透明度を調整できるため、外観デザインと両立できる点も魅力です。窓ガラスのような透過型パネルや、外壁の一部として自然に溶け込むデザインも可能です。

また100℃前後の低温で製造できるため、従来のシリコン型(約1,400℃)に比べてCO₂排出量を大幅に減らせるといわれています。

発電だけでなく、環境負荷を抑える面でも次世代の太陽電池として注目されています。

ペロブスカイト太陽電池の今後の課題

ペロブスカイト太陽電池の今後の課題

耐久性がまだ十分でなく、寿命が短い

ペロブスカイト太陽電池は、屋外の厳しい環境で長く使うには、まだ課題が残っています。試験では5〜10年程度の耐久性とされることがあり、一般的なシリコン太陽電池(20年以上)と比べると短めです。

寿命が短くなりやすい理由は、次のとおりです。

ペロブスカイト太陽電池の寿命が短くなりやすい理由
  • 赤外線・紫外線に弱い
    太陽光に含まれる紫外線や赤外線を長時間受けると、結晶の結合が崩れやすくなり、材料が劣化しやすくなります。
  • 湿気に弱い(吸湿性)
    空気中の水分と反応して分解が進み、発電に必要な電気の流れが悪くなります。結果として、変換効率が下がり、寿命が縮みます。
  • 酸素や熱の影響を受けやすい
    酸素と反応したり、高温で内部構造が変化したりすると、電子がスムーズに動けなくなり、性能が落ちます。

対策としては、材料そのものの改良に加えて、外気を遮る封止(シール)構造の強化や、紫外線をカットするコーティング、水分や酸素の侵入を抑える多層フィルムなどの工夫が挙げられます。これらの改良が進むほど、屋外での長期使用に近づいていきます。

原料の安全性に課題がある

ペロブスカイト太陽電池の主な原料には「ヨウ化鉛」や「ヨウ化メチルなどが使われており、鉛の毒性が問題視されています。

  • ヨウ化鉛:毒性や発がん性があり、血液・肝臓・神経などに影響を与えるおそれがある
  • ヨウ化メチル:吸い込むと咳や頭痛、吐き気、めまいなどを引き起こすことがある

鉛は、環境保護の観点から排出や廃棄が厳しく規制されており、太陽電池として実際に利用する際には「どのように安全性を確保するか」が大きなテーマとなっています。

課題を解決するために、研究機関では鉛を使わない新しい材料の開発が進んでいます。たとえば、京都大学では「スズ(Sn)」を代替材料として活用する研究が進められており、桐蔭横浜大学では「AgBi2I7」という新しい化合物を使う実験が行われています。

変換効率がまだ安定していない

ペロブスカイト太陽電池は、研究では高効率(25%超)ですが、量産品は10〜15%程度で、主流のシリコン太陽電池(20〜25%)に効率面で劣ります。

その理由は、ペロブスカイト結晶が熱・光・湿度などの外部環境に弱く、高温下(70〜80℃)で結晶構造が変化しやすく、発電効率が低下するためです。また、分子レベルでの構造的不安定さも安定した発電を妨げています。

今後は、耐熱性や結晶安定性を高める技術開発が進むことで、実用環境での効率安定化と普及が期待されています。

大型化・量産化が難しい

ペロブスカイト太陽電池は、小さな面積では高効率ですが、大型化すると変換効率にムラが出やすいという課題があります。これは、広い範囲で結晶構造を均一に作ることが難しいためです。

住宅やビル向けの大規模な量産化には、大面積でも均一に製造できる印刷・塗布技術の確立や、安定した性能を保ちつつ生産コストを下げる設備投資が必要です。

太陽光発電を今つけるのか、ペロブスカイトを待つべきか

太陽光発電を今つけるのか、ペロブスカイトを待つべきか

結論:今すぐ・数年以内に導入を考えているなら、従来の太陽光発電一択です!

ペロブスカイト太陽電池は注目の次世代技術ですが、耐久性・量産化・安全性の課題があり、一般家庭向けに実用化されるのは2030年以降と見込まれています。

現行の太陽光発電を選ぶべき理由
  • 実績と信頼性: すでに全国で数百万件の導入実績があり、発電性能が安定している
  • 耐用年数が長い: 20年以上使えるため、長期的なコスト回収が可能
  • 補助金制度が充実: 国・県・市町村の補助金を併用して初期費用を抑えられる
  • すぐに電気代が削減できる: 発電した電力を家庭で使えば、月々の電気代を即削減できる

一方、ペロブスカイト太陽電池は魅力的な将来技術ではあるものの、「すぐに使えるエネルギー」ではありません。実用化まで数年かかることを考えると、今導入を検討している方にとっては「待つ」メリットは少ないといえます。

今のうちに現行の太陽光発電を導入し、電気代削減と補助金の恩恵を早く受けるのがおすすめです。

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家庭用ペロブスカイト太陽電池まとめ

ペロブスカイト太陽電池は、「軽くて薄い」「低コストで製造可能」な次世代型の太陽電池として世界的に注目されており、日本の大学や企業が研究をリードしています。実用化は、2030年頃が期待されています。

ただし、現時点では以下のような課題が残っています。

ペロブスカイト太陽電池にはまだまだ課題が残る
  • 耐久性の課題: 紫外線・湿気・熱に弱く、寿命が短い(5〜10年程度)
  • 原料の安全性: 鉛を含む化合物を使用しており、環境への影響が懸念される
  • 量産化の難しさ: 大面積化で変換効率が低下しやすく、安定生産が課題

このように、ペロブスカイト太陽電池は魅力的な将来性を持ちながらも、「今すぐ導入したい人にとっては時期尚早」といえます。

現時点では、補助金制度が整い、性能と耐久性が確立されているシリコン太陽光発電の導入が最も現実的です。

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