「SMAのパワコンが故障したけど修理してもらえる？」「SMAは撤退したって本当？」「交換や代替機はどうすればいいの？」そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
SMAはドイツに本社を置く、世界上位のパワーコンディショナ専業メーカーです。日本でも多くの住宅・産業用システムで採用されてきました。
しかし近年、住宅用モデルの販売終了や通信環境の変化により、「修理・交換・保証」などアフター対応がより重要になっています。
この記事では、SMAパワコンの特徴や方針転換の背景、故障時の対応方法、交換費用や代替機の選び方まで、2025年の最新情報をもとにわかりやすく解説します。
- SMAは方針転換
住宅・低圧（Sunny Boy／Tripower）は販売終了、修理・保証は継続 - 交換費用の目安
単相15〜30万円／三相40〜80万円（工事費込みの目安） - 代替機選び方
住宅・小規模（単相）では、オムロンやシャープ、パナソニックなど国内メーカーが主流 - 交換タイミング
寿命10〜15年＋3G終了前に4G化対応で前倒し更新が安心 - 補助金
東京都でパワコン更新を助成
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SMAはドイツ生まれのパワコンメーカー
SMAは、ドイツのカッセルに本社を置く、太陽光発電用パワーコンディショナ（パワコン）の専門メーカーです。1981年に設立され、もともとは制御システムを手がける企業でしたが、現在は太陽光発電向けのインバーターに特化しています。
ドイツ品質ならではの高効率・高耐久設計で世界的に評価が高く、2024年の年間出荷は約19.5GWなど、世界上位の実績があります。
日本では2011年に「SMAジャパン株式会社」が設立され、住宅用から産業用まで幅広く販売・サポートを展開してきました。英国の調査会社Wood Mackenzieによる調査では、2019年の日本市場におけるSMAのシェアは約11％となっており、海外メーカーの中でも高いシェアを占めています。
参考：SMA Solar Technology AG（2025）
SMAは撤退？販売終了と方針転換の最新情報
SMAのパワコンは、住宅用・低圧向け（Sunny Boy／Sunny Tripower）の新規販売をすでに終了しています。
これは日本市場からの撤退ではなく、事業の方針転換によるものです。既設機の修理・保証サポートは引き続き継続されています。
現在は、工場やメガソーラーなどの高圧・特別高圧、蓄電池向けの大型モデル（Sunny Highpower／Sunny Central Storage）を中心に展開しています。
ただし、2025年10月には高圧・特高向けの一部機種（Sunny Highpower PEAK3など）も販売・製造終了（EOL）が公式に発表されています。
参考：SMAジャパン｜大型PVインバータ製造終了のお知らせ（2025年10月）
販売終了でも修理・保証対応は継続
SMAジャパンは国内で事業を継続しており、修理や保証対応は引き続き受けられます。
SMAジャパンの公式発表によると、「販売終了した機種についても、これまで同様にアフターサービスや延長保証を継続します」と明言されています。
つまり、販売が終わっても、修理・点検・保証対応を引き続き依頼できます。
ただし、SMAは今後「住宅用の新製品を販売しない」方針なので以下の点には注意しましょう。
- 新品のSMA製住宅用パワコンは入手できなくなる
- 修理対応に使う部品の保有期間にも期限がある
「保証が切れる前に延長手続きを行う」「古い機種は早めに代替機の検討を始める」ことをおすすめします。
販売終了後もサポートは継続されていますが、将来的な交換対応を見据えた準備が大切です。
▼SMAのパワコン交換費用・代替機についてはこちら▼
SMAのパワコン交換費用相場｜代替機の選び方
参考：SMA｜弊社大型パワコン販売/製造終了について、SMA｜SMA ジャパン株式会社事業戦略変更のご案内
住宅・低圧で使われた主なパワコンの機種（Sunny Boy／Tripower）
SMAの住宅・低圧向けパワーコンディショナとして広く普及したのが、Sunny Boy（単相）とSunny Tripower（三相）シリーズです。
どちらも高効率で信頼性が高く、日本でも2010年代前半を中心に多くの家庭や事業用施設で採用されました。
| シリーズ名 | 主な用途・対象 | 定格出力帯 |
|---|---|---|
| Sunny Boy | 住宅用・小規模低圧 | 約 3〜5.5 kW |
| Sunny Tripower | 産業用・低圧（三相） | 約 10〜25 kW |
| Sunny Highpower | 高圧・特別高圧（大規模発電） | 約 75〜150 kW |
| Sunny Central Storage | 蓄電池連携（高圧・特別高圧） | 約 2〜4.6 MW |
Sunny Boy（単相・住宅用）
Sunny Boyは、主に3〜5kWクラスの一般住宅向けとして販売されていたパワコンです。高い変換効率と静音設計、軽量な本体が特徴で、屋外設置にも対応（防塵・防水IP65）していました。
2011〜2016年頃を中心に多くの住宅で導入されましたが、現在はすでに生産終了しており、新品の入手はできません。ただし、設置済みの機器については修理・保証対応が継続中です。
交換を検討する際は、出力容量（3〜5kW）と接続方式（単相2線式）に対応した他メーカー製を選ぶ必要があります。特に、オムロンやファーウェイの住宅用パワコンが代替機として人気です。
参考：SMA｜低圧連系単相新製品 Sunny Boy 5.5-JP、SMA｜Sunny Boy 3.0–6.0
Sunny Tripower：（低圧三相・集合住宅・小規模事業用）
Sunny Tripowerは、10〜25kWクラスの低圧三相タイプで、集合住宅や小規模事業所向けに使われていました。
高い変換効率（約98％）と遠隔監視機能により、安定した電力変換ができる点が評価されていました。
こちらも現在は日本向けモデルが販売終了しており、部品供給が終わった機種も増えています。そのため、修理よりも代替機への交換を検討するケースが増えています。
三相出力に対応する他メーカー製では、オムロンのKPVシリーズやファーウェイのSUN2000シリーズなどが候補となります。
参考：SMA公式サイト「Sunny Tripower」製品ページ
産業・高圧向けの現行機種（Sunny Highpower／Central Storage）
SMAは現在、住宅用パワコンの販売を終了していますが、産業・高圧分野では「Sunny Highpower」や「Sunny Central Storage」といった大容量モデルを展開しています。
いずれも大規模発電所や蓄電池システム向けです。
参考：SMA｜Sunny Central Storage 製品ページ、SMA｜Sunny Highpower PEAK3 製品情報
SMAのパワコンが故障したときの対処法
SMAのパワコンでエラーや不具合が出た場合は、まず慌てずにエラーの内容と保証期間を確認しましょう。
取扱説明書や「Sunny Portal（サニーポータル）」を使うことで、エラーコードの意味や原因を確認できます。
パワコンが故障したときの対応方法は以下のとおりです。
エラーコードを確認する
SMAのパワコンでは、エラーが発生すると本体の液晶画面またはSunny Portal上にコードが表示されます。
コードには「6701／6702 ：通信異常（ネットワーク接続エラー）」「6501〜6511 ：温度超過により運転停止」などがあり、取扱説明書に記載の一覧表で意味を確認できます。
Sunny Portalを利用している場合は、PCやスマホからも確認可能です。
よくある故障原因は以下のとおりです。
- 通信エラー（ネットワーク・モニタリング機器の不具合）
- 内部温度の上昇（放熱・換気不足）
- 変換ユニットの劣化（長年使用による性能低下）
まずは外部要因（ケーブル・通信環境・温度）を確認し、それでも改善しない場合は修理を検討します。
参考：SMA｜エラーメッセージ
保証期間・内容を確認する
SMAのパワコンの保証期間と内容は、付属の保証書・Sunny Portalの機器情報・施工業者またはSMAジャパンへの問い合わせで確認できます。
機器のシリアル番号があれば、保証期間を照会できるため、設置から数年経過している場合は早めの確認がおすすめです。
SMAでは、長期的な発電システム運用を支える充実したアフターサポート体制が用意されています。
延長保証に入っている場合は、無料または割引で修理・交換できます。
修理か交換かを判断する
修理するか交換するかを検討する際の目安は、以下のとおりです。
【修理できるケース】
- 保証期間内で、部品の在庫がまだある
- 修理費が新品交換よりも明らかに安い
【交換を検討すべきケース】
- 部品供給期間が終了している（修理不可）
- 修理費用が新品の半額以上
- 同型機の新品がすでに販売終了
→「Sunny Boy」「Sunny Tripower」シリーズはすでに生産・販売終了 - 保証が切れており、再故障のリスクが高い
SMAジャパンでは、販売終了後の旧機種でも修理・点検を受け付けています。
※機種・条件により対応内容が異なる可能性があるため確認が必要
まずはエラーコードを確認し、保証期間内であれば公式サポート窓口へ連絡するのが確実です。
在庫や互換機がある場合はSMAジャパンから提案される場合があります。
問い合わせはメーカーか販売店・施工店へ
SMAのパワコンが故障した場合の問い合わせは、「直接メーカーへ問い合わせる」「販売店や施工店経由」のどちらかです。
メーカーへの問い合わせは、公式サイトのサポートページから行えます。
・機種名
・エラーコード
・設置年月
・設置場所
以上のポイントを事前に確認しておき、問い合わせ時に伝えるとスムーズです。
SMAのパワコン交換のタイミングは？
SMAの住宅用・低圧向けパワコン（Sunny Boy／Sunny Tripower）はすでに新規販売が終了していますが、既設機の修理や保証対応は現在も継続しています。
そのため、すぐに交換が必要というわけではありませんが、修理が難しい場合や交換時期を迎えている場合は、他メーカー製パワコンへの交換を検討する時期に入ります。
では、どのタイミングで交換するのが適切なのかを紹介します。
パワコンの交換時期は「10年」が目安
一般的にパワーコンディショナの寿命は約10〜15年といわれています。
設置から10年を過ぎると、内部部品の劣化や変換効率の低下が進み、発電量の低下が発生することがあります。
SMAのSunny BoyやSunny Tripowerシリーズも販売から10年以上が経過しており、すでに多くの機種が生産・販売終了しています。
そのため、修理部品の供給が終了している場合も多く、「壊れてからでは遅い」ケースも少なくありません。
交換費用は設置条件によって異なるため、早めに見積もりを取っておくのがおすすめです。
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交換を前倒しすることでメリットがある
パワーコンディショナを前倒しで交換することで、いくつかのメリットがあります。
まず、最新モデルに切り替えることで変換効率が向上し、発電量の低下を抑えられます。
さらに、新しい監視システムや通信機器（4G対応）との連携も安定し、遠隔でのエラー検知や制御がスムーズになります。
一方で2026年3月のドコモ3G終了前後は工事が集中し、費用高騰や納期遅延のリスクが高まります。
そのため、「壊れてから交換」ではなく、保証期間内や通信切替前に前倒しで更新しておくことが、結果的にコストを抑える賢い選択といえるでしょう。
参考：docomo｜「FOMA」および「iモード」サービス終了のご案内
パワコン交換費用相場と代替機の選び方
SMAのパワコン交換費用の目安は、単相タイプで15〜30万円前後（工事費込み）、三相タイプで40〜80万円前後が相場です。設置場所や出力容量、地域によって価格は変動します。
※工事費は設置条件・地域で変動します
SMA Sunny Boyシリーズは本体価格が20〜30万円台でしたが、現在では他社製の方が価格・効率・保証の面で優れた機種も多く登場しています。
ここでは、代表的なメーカーのパワコン交換費用の比較表や補助金について、選び方のポイントを紹介します。
他メーカーのパワコン交換費用と比較
SMAのパワコンが生産終了した現在、目安として単相（住宅用）は国内メーカー中心に、三相（事業用）は安川・オムロン・Huawei 等を比較し、4G対応や保証年数で最終判断すると安心です
以下では、住宅用で人気の高い5.0〜5.5kWクラスの代表機種を、実勢価格ベースで比較しています。
| メーカー | モデル名 | 定格出力 | 実勢価格 （本体） | 総額 （工事費込み） | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| シャープ | JH-55NF3 | 5.5kW | 約27〜28万円 | 約33〜40万円 | 蓄電池・EV連携対応／屋内外設置可／停電時も自立運転可能 |
| パナソニック | VBPC255 | 5.5kW | 約22〜26万円 | 約30〜37万円 | 国内大手メーカー／保証が手厚く信頼性が高い |
| オムロン | KPK-A55 | 5.5kW | 約16〜20万円 | 約25〜32万円 | コスパ重視モデル／安定性能で導入しやすい |
| ファーウェイ | SUN2000-4.95KTL-NHL2 | 4.95kW ※ | 約10万円 | 約20〜27万円 | 高効率・低価格モデル／スマート蓄電池連携に強い |
参考：価格.com｜パワーコンディショナ、シャープ｜JH-55NF3、Panasonic｜VBPC255、OMRON｜KPK-A55、HUAWEI｜SUN2000-4.95KTL-NHL2
大手メーカーのシャープやオムロン・ファーウェイのパワコンのラインナップや価格などについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
パワコン交換は補助金対象になる可能性がある
2025年時点では、SMAのパワコンを含む「パワーコンディショナ交換」を明確に補助対象としているのは東京都のみです。
東京都では、既設の太陽光発電システムで使用中のパワコンを新しいものに交換する際、費用の一部を助成する制度が設けられています。
| 自治体 | 制度名・対象 | 補助内容 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 住宅用太陽光発電システムに係る パワーコンディショナ更新費用助成事業 | 対象経費の2分の1 （上限10万円／台） | ・既設の太陽光発電設備を所有している ・パワコンのみの更新も対象 ・申請は着工前に行う必要あり |
今後は、他の自治体でも再エネ推進の一環として同様の助成制度が設けられる可能性があります。
「お住まいの地域名＋補助金＋太陽光」で検索し、最新情報を確認しましょう。
SMAのパワコンの代替機種の選び方
パワコンを交換するときは、価格だけでなく保証・通信・設置環境の互換性を確認することが大切です。
- ① 電力区分を確認：家庭用は単相、事業用は三相タイプを選ぶ
- ② 設置環境に合わせる：屋外／屋内・壁掛け／据え置き対応を確認
- ③ 通信方式をチェック：4G対応の監視機器・出力制御装置が必須
- ④ 保証やサポート体制を比較：延長保証があるメーカーを選ぶと安心
以上を踏まえて、信頼できる施工業者に見積もりを依頼すれば、最適な機種を提案してもらえます。
パワコン交換で失敗しない業者選びのコツ
パワコン交換を依頼する際は、「どの業者に頼むか」で費用や施工品質、保証内容が大きく変わります。
費用の安さだけで選ぶのではなく、施工実績・資格・保証体制・サポート力を総合的に比較することが重要です。
- 資格
電気工事士・認定施工店なら安心 - 見積もりの内訳
撤去費や追加費用の有無を事前に明示しているか - 保証内容
本体保証・工事保証の期間と範囲を比較し、サポート体制を確認 - 補助金申請サポート
制度に詳しい業者なら、手続きや書類作成もスムーズ
こうしたポイントを比較するために、複数業者から見積もりを取ることが大切です。特に「補助金対応」「保証期間」「施工経験」の3点は、信頼できる業者を見分ける大きな基準になります。
一括見積もりサービスを利用すれば、複数の業者の見積もりを1回で取ることが可能です。
- 現地調査・診断
既存パワコンの設置環境や型番を確認し、交換可能な製品・設置条件を調査 - 見積もり提示
本体価格・工事費・撤去費・申請費を含む詳細な見積もりを提示 - 交換工事
古いパワコンを撤去し、新しい機種を設置。必要に応じて配線・分電盤工事も実施 - 試運転・動作確認
発電・売電の正常稼働を確認。エラーコード・電圧値などをチェック - 完了報告・引き渡し
保証書・施工報告書を受け取り、今後のメンテナンス方法を説明
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SMAのパワコンに関する質問
- QSMAが日本撤退するって本当？
- A
撤退ではなく方針転換です。修理・保証継続しています。
- Qパワコン交換の目安年数は？
- A
パワコンの交換目安は10〜15年です。10年超で劣化している可能性があります。
- Q3G通信が終了したらどうすればいいですか？
- A
NTTドコモの3G（FOMA）は2026年3月に終了予定です。
3G通信を利用している監視機器や出力制御装置は、4G（LTE）対応の通信機器への更新が必要になります。交換工事や機器設定は施工業者またはメーカーサポートに相談しましょう。
- QSMAのパワコンの交換費用目安はいくら？
- A
目安は単相タイプで約15〜30万円（工事費込み）、三相タイプで約40〜80万円です。設置条件・地域・出力容量によって変動するため、相見積もりを推奨します。
SMAのパワコンは交換が必要になることもある
SMAのパワコンは、ドイツ本社のメーカーが手がける信頼性の高い製品です。
すでに住宅用モデルの販売は終了していますが、日本では引き続き修理や保証サポートを受けることができます。
設置から10年以上経過している場合や、通信方式（3G→4G）の切り替え時期には、交換を検討しておくと安心です。
交換費用の目安は単相で約15〜30万円、三相で約40〜80万円ほどです。
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