群馬県南西部に位置する上野村は、埼玉県・長野県と接し、総面積の約95%を森林が占める自然豊かな村です。令和8年7月時点の人口は1,000人に満たず、群馬県で最も小さな自治体として知られています。
令和4年には環境省の脱炭素先行地域に群馬県で初めて選定され、森林資源を生かした木質バイオマスと太陽光発電を軸に、村全域での脱炭素化を進めています。
出典:人口と世帯
上野村における脱炭素先行地域選定の経緯と目標

令和2年8月7日、上野村は群馬県の「ぐんま5つのゼロ宣言」を受け、2050年に向けた「Ueno5つのゼロ宣言」を表明しました。
- 宣言1:自然災害による死者ゼロ
- 宣言2:温室効果ガス排出量ゼロ
- 宣言3:災害時の停電ゼロ
- 宣言4:プラスチックごみゼロ
- 宣言5:食品ロスゼロ
5つの宣言のうち、宣言2「温室効果ガス排出量ゼロ」と宣言3「災害時の停電ゼロ」が、村の脱炭素施策の柱になっています。
令和4年11月1日には、環境省の脱炭素先行地域(第2回)に選定され、令和8年7月現在も群馬県で唯一の脱炭素先行地域です。村内全域12地区を対象に、村営住宅・戸建住宅・民間施設・公共施設への太陽光発電・蓄電池の導入や、木質バイオマス熱電併給設備の整備を進めています。
出典:2050年に向けた「Ueno5つのゼロ宣言」
出典:脱炭素先行地域選定結果(第7回)について
上野村の具体的な取り組み

上野村では、村内全域を対象に、森林資源を生かした再生可能エネルギーの導入が進んでいます。
住宅・施設への太陽光発電・蓄電池導入
上野村では、村営住宅・戸建住宅・民間施設・公共施設を対象に、太陽光発電と蓄電池のセット導入を支援する施策を進めています。
- 屋根の耐荷重の関係で屋根置きが難しい戸建住宅
カーポート型の太陽光発電の導入を支援 - 日照条件により太陽光発電の設置が難しい戸建住宅
省エネ家電への買い替え支援、地域新電力からの再エネ電力購入への切り替え促進
住宅・施設への太陽光発電・蓄電池導入の取り組みにより、住宅・施設の電力需要量に対して、再エネによる供給と省エネによる削減を合わせ、CO₂排出量の実質ゼロを目指しています。
道の駅上野などへの木質バイオマス熱電併給設備の導入
上野村は、総面積の約95%を占める森林資源を生かし、役場新庁舎・道の駅上野・温泉センターなど熱需要の大きい公共施設に木質バイオマス熱電併給設備を導入する計画を進めています。
木質バイオマス熱電併給設備の燃料には、これまで活用してきた針葉樹だけでなく、森林面積の63%を占める広葉樹もチップ燃料として活用するなど、林業の振興も期待できる取り組みです。
東京電力パワーグリッドと連携した地域マイクログリッドの構築
令和4年6月、上野村は東京電力パワーグリッド株式会社とゼロカーボンシティ実現に向けた連携協定を締結しました。
災害時の停電ゼロの実現に向け、経済産業省の地域マイクログリッド構築事業を活用し、再エネ発電設備等から避難施設や公共施設等への自立的な電力供給ができる体制の整備が進められています。
地域新電力を活用した再エネの地産地活
上野村では、群馬県の地域新電力である中之条パワーと連携し、公共施設の太陽光発電による余剰電力が売電されています。
村内で発電した再エネ電力を村内で使い切る体制を整えることで、太陽光発電の設置が難しい世帯にも再エネ電力が届けられます。
上野村の脱炭素まちづくりまとめ

群馬県初の脱炭素先行地域である上野村では、村内全域での太陽光発電・蓄電池の導入支援が進められています。
また、木質バイオマス熱電併給設備の導入や、東京電力パワーグリッドと連携した地域マイクログリッドの構築も、村の特色ある取り組みです。
地域新電力の中之条パワーとの連携を通じて、日照条件が厳しい世帯にも再エネ電力を届けるなど、2050年に向けた脱炭素の実現を目指す姿勢がうかがえます。


