淡路市(兵庫県)が目指す「コンパクトシティ×里山ハイブリッド」の脱炭素化!夢舞台サスティナブル・パークと里山対策が生むまちづくり

淡路市(兵庫県)が目指す「コンパクトシティ×里山ハイブリッド」の脱炭素化!夢舞台サスティナブル・パークと里山対策が生むまちづくり 脱炭素先行地域の紹介

淡路市は人口約4万人(令和8年7月1日現在)の自治体です。兵庫県南部の淡路島北部から中部にかけて位置し、明石海峡大橋を通じて神戸市と結ばれています。

温暖な瀬戸内海気候と豊かな自然に恵まれたこの地で、市は令和4年に環境省の脱炭素先行地域(第1回)に選定されました。

地域新電力「あわぢから」を中核とした「コンパクトシティ×里山ハイブリッド」の取り組みは、地域資源を生かしながら脱炭素と地域課題の解決を同時に目指すモデルとして注目されています。

出典:淡路市

淡路市が脱炭素先行地域になるまでの歩み

淡路市が脱炭素先行地域になるまでの歩み
出典:PR TIMES

淡路市は令和3年1月28日、地域新電力事業に関する株式会社ほくだん・シン・エナジー株式会社との連携協定の記者発表において、2050年ゼロカーボンシティの表明を行いました。

2050年ゼロカーボンシティの表明とは

「2050年までに二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指す」旨を、首長自らまたは自治体として公表することです。

2050年ゼロカーボンシティの表明を土台として、淡路市は同時期に地域新電力「あわぢから」を発足させ、電気の地産地消と再生可能エネルギーの普及を進めました。

令和4年4月26日には、環境省の脱炭素先行地域に選ばれています。第1回の選定では、兵庫県から姫路市・尼崎市とともに淡路市が名を連ねました。

脱炭素先行地域に選定された淡路市の計画
  • 計画の名称
    淡路市におけるコンパクトシティ×里山ハイブリッド脱炭素化モデル事業
  • 計画の内容
    夢舞台サスティナブル・パークを中心とする都市機能と、休耕地・ため池・放置竹林といった里山資源を組み合わせ、地域新電力あわぢからを核に脱炭素化を進める取り組みです。
    淡路市が主体となって事業を進め、共同提案者である株式会社ほくだん・シン・エナジー株式会社が発電設備の整備やPPA事業の運営を担う体制がとられています。

出典:2050年ゼロカーボンシティの表明について
出典:環境省脱炭素先行地域の選定について
出典:脱炭素先行地域選定結果(第1回)について

淡路市が進める脱炭素の具体的な取り組み

淡路市が進める脱炭素の具体的な取り組み
出典:PR TIMES

淡路市の脱炭素先行地域は、施設が集積する「コンパクトシティ」エリアと、休耕地・ため池・竹林などの資源を持つ「里山」エリアの2つで構成されており、それぞれの特性に応じた脱炭素化が進められています。また、両エリアにまたがる運輸部門のEV活用も、脱炭素の重要な取り組みです。

出典:淡路市におけるコンパクトシティ×里山ハイブリッド脱炭素化モデル事業(脱炭素先行地域 計画提案書)

コンパクトシティ側の脱炭素化の取り組み

淡路市の地域新電力であるあわぢからは、夢舞台サスティナブル・パーク内の民間施設・国営明石海峡公園・市営南鵜崎団地等において、PPAモデルで太陽光発電と蓄電池を設置し、各施設の自家消費を進めています。

導入予定の太陽光発電設備出力は合計4,207kW、蓄電池容量は7,310kWhです。新設施設には高断熱・高効率設備を備えたZEB Readyを標準化し、従来比50%以上の省エネを図る計画となっています。

市内の戸建て住宅約1,200戸にもPPAモデルで太陽光発電(合計7,200kW)を導入し、脱炭素先行地域にとどまらない市内全域への展開を見据えています。

不足する電力については、あわぢからが小売電気事業者として市内の再エネ電力を買い取り、小売供給する仕組みを整えています。

里山側の脱炭素化の取り組み

里山側では、市内のため池に約2,548kW、農地・休耕地に約1,000kWの太陽光発電を導入する予定です。

淡路市は農業用ため池数が4,808か所と全国で最も多い一方、平成30年時点の荒廃農地は238haとなっており、洲本市の55ha、南あわじ市の63haと比べて突出しています。

荒廃農地の拡大にともない、放置竹林も昭和55年の544haから拡大を続け、平成22年時点で淡路市内は1,370ha、市域の7.4%を占めるまでになりました。荒れた竹林はイノシシのすみかとなり、農作物への獣害や土砂災害のリスクを高めています。

この課題に対応するため、東浦花の湯と聖隷淡路病院に竹チップ熱供給ボイラーを設置し、年間重油240キロリットル相当のバイオマス代替を目指しています。

竹を燃料として活用し、燃焼灰の資源化も進めることで、放置竹林の拡大防止と獣害被害の抑制、市域の防災力向上が期待されています。

運輸部門を横断する取り組み

淡路市とあわぢからは、企業向けEVのレンタルサービスを実施しています。

車両を確保しにくい社員にEVを貸与し、通勤やプライベートでの利用を後押しする仕組みです。勤務中はカーポート型太陽光発電で充電する体制を構築しました。

運輸部門の脱炭素化を進めるとともに、若者のIターン・Uターンを後押しする狙いも込められています。

淡路市の脱炭素まちづくりまとめ

淡路市の脱炭素まちづくりまとめ
出典:淡路市

淡路市の脱炭素先行地域の取り組みは、地域新電力あわぢからを軸に、施設集積エリアの「コンパクトシティ」と、休耕地・ため池・竹林等の資源を持つ「里山」という性格の異なる2つのエリアで、それぞれの特性に応じた施策を組み合わせています。

単なるエネルギー転換にとどまらず、放置竹林や休耕地といった地域課題の解決と、雇用創出や若者の定住促進を同時に実現しようとする姿勢が、淡路市ならではの脱炭素まちづくりの特徴です。

監修者

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