東京都北区では、住宅や事業所への太陽光発電システム導入を促進するため、充実した補助金制度を設けています。

特に注目すべきは、区内業者による施工なら1kWあたり9.6万円（最大24万円）、区外業者でも1kWあたり8万円（最大20万円）という手厚い補助が受けられる点です。

「申請方法は？」「工事前と後でどう違う？」「東京都や国の補助金と併用できる？」など、太陽光発電の導入を検討する際には様々な疑問が浮かびます。

この記事では、2025年度の北区太陽光発電補助金に関する申請の流れや注意点を徹底解説します。

【2025年最新】北区の太陽光発電補助金

東京都北区では、区民や事業者を対象に再生可能エネルギー機器の導入を支援する補助金制度を設けています。

とくに太陽光発電システムは人気が高く、毎年早期に受付が終了することもあります。

ここでは、2024年度（令和6年度）の補助制度の内容を詳しく解説します。

次年度以降の申請に向けた準備の参考にしてください。

補助対象設備と補助金額

対象となるのは、住宅や事業所などに新たに設置される未使用の太陽光発電システムです。

補助金の額は、設置を依頼する業者の所在地に応じて変わります。

つまり、例えば3kWのシステムを設置する場合、区外業者だと24万円が上限、区内業者であれば28.8万円の補助額に相当しますが、いずれも支給は上限額までとなります。

また太陽光発電のほかに、蓄電池や高効率給湯器、エネファームなど他の省エネ設備も対象になる場合があるため、併用設置を検討している方は要確認です。

補助金の申請受付期間

令和6年度（2024年度）の補助金申請は、申請総額が区の予算上限に達したため、2024年10月29日をもって受付終了となりました。

過去の状況を踏まえると、年度開始から夏前には予算の大半が埋まる可能性もあります。

そのため、次年度（令和7年度）の補助制度を利用したい方は、早めに業者選定や見積もり取得、設置計画を進めておくことが重要です。

補助対象者の要件

補助金を受けられるのは、以下のような要件をすべて満たした個人または団体です。

個人住宅の場合でも、見落としやすい条件があるので注意が必要です。

また、実際に住んでいない住所での申請や、住民票が異なる住所にあるといったケースは不備と見なされることがあります。

工事完了時にも条件が満たされているかチェックされるため、慎重に計画しましょう。

施工完了の期限

補助金の申請だけでなく、工事完了のタイミングにも期限があります。

昨年度の工事完了報告書の提出期限は令和7年3月14日（金）となっていました。

上記の期日を超えてしまうと、たとえ申請が受理されていても補助金の対象外となってしまいます。

「余裕をもって1月中には工事を完了しておく」など、スケジュールにはゆとりを持って取り組むことをおすすめします。

北区の太陽光発電補助金申請方法

北区では、再生可能エネルギーの導入促進のため、太陽光発電システムの設置に対して補助金を交付しています。

ここでは、申請から受給までの流れを各ステップごとに解説します。

① 申請前準備
　↓
② 工事前に交付申請
　↓
③ 交付決定通知を受け取る
　↓
④ 工事の実施
　↓
⑤ 工事完了報告（3月14日まで）
　↓
⑥ 交付請求書の提出
　↓
⑦ 補助金の振込

① 申請前の準備

補助金を申請するためには、まず申請条件や必要な機器・書類を確認し、工事前に準備を整える必要があります。

すでに設置された機器については補助対象外となるため、業者との契約時期や工事スケジュールは慎重に調整しましょう。

② 交付申請の提出（工事前）

太陽光発電の設置工事に着手する前に、北区に「交付申請」を行います。

交付申請が受理され、区から交付決定通知を受けるまでは、工事を開始してはいけません。

提出のタイミング：工事の7開庁日前までに必着

申請内容に不備があると受理されないため、時間的な余裕を持って申請しましょう。

③ 交付決定通知の受け取り

申請が審査され、内容に問題がなければ、北区から「交付決定通知書」が発行されます。

この通知を受け取ってはじめて工事の着手が可能となります。

④ 設置工事の実施

交付決定通知を受け取ったら、契約した施工業者による工事を実施します。

⑤ 工事完了報告の提出

工事が完了したら、工事完了報告書とその他の書類を提出します。

このステップを経て、補助金支給の準備が整います。

提出期限：令和7年3月14日（金）必着

期限内に書類を提出できなければ、補助金が支給されない可能性があります。

工事後は、なるべく早く提出しましょう。

⑥ 交付請求書の提出

完了報告が受理されたら、いよいよ補助金の振込申請となります。

振込先の情報を含めた「交付請求書」と「口座振替依頼書」を提出します。

日付の記入は、提出当日に窓口で行います。

⑦ 補助金の振込

すべての書類審査が完了すると、指定した銀行口座に補助金が振り込まれます。

時期によっては数週間かかる場合もあるため、余裕をもって待ちましょう。

太陽光発電補助金申請時の注意点

補助金を確実に受け取るためには、申請手続きの流れだけでなく、制度の細かなルールや条件についても理解しておくことが重要です。

補助の対象となるのは、新品かつ未使用の機器に限られており、申請者本人が自ら使用する目的で設置することが求められます。

設置場所が賃貸物件などの場合には、所有者からの書面による同意が必要です。

また、同一年度内において、同じ種類の機器に対する補助は一度のみとなっています。

東京都や国の補助金と併用できる？

東京都北区の再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成制度（以下、北区補助金）は、国や東京都が実施する他の補助金制度と併用することが可能です。

ですが、併用に際しては「補助金の合計が実際の支出額（助成対象経費）を超えないこと」が厳格に求められます。

併用できる具体的な制度例

北区の補助金と併用可能な制度には、たとえば以下のようなものがあります。

併用時の注意点（北区が明示しているルール）

北区は、他の補助金と併用する際のルールを明確に提示しています。

補助金申請を併用する際は、以下の点に注意しましょう。

助成金合計は「実費を超えないこと」

例：太陽光発電の設置費用が100万円の場合
→ 北区＋東京都の補助金合計は 100万円以内でなければならない

仮に北区補助20万円、東京都補助30万円を受けると、その他の補助金は最大で50万円までしか認められません。

北区への「併用申告」が必須

北区に申請する際、他の補助制度を併用する場合は、必ず以下の書類を提出します。

• 「他の助成金等申請状況申出書」

この書類は、国・東京都・その他の団体を含め、「どこに」「どのような補助金を」「いくら申請しているか」を記載するものです。

未申告や虚偽の申請は、不正受給と見なされる可能性もありますので、正確に記載しましょう。

補助制度ごとに「併用可否」が異なる

すべての補助金制度が併用を認めているわけではありません。

たとえば、以下のようなパターンがあります。

補助制度	北区補助との併用	備考
東京都の太陽光設置補助	◯	区市町村連携型など
住宅省エネ2024キャンペーン	×	太陽光発電は補助対象外
民間団体による省エネ導入補助	△	要件・併用可否は制度ごとに異なる

各制度の公式ページや要綱に「他制度との併用可否」が明記されているので、事前に確認するか、問い合わせるのが確実です。

申請の流れに併用情報を組み込むには？

実務上は、以下のようなタイミングで確認・申告を行います。

東京都の補助金については、以下の記事で詳しく解説しています。

【2025年最新】東京都の太陽光発電補助金情報！導入前に知っておきたいポイント

東京都の太陽光発電補助金制度について詳しく解説しています。既築住宅では最大45万円、新築住宅では最大36万円の補助が受けられるほか、蓄電池やV2Hシステムとの組み合わせでさらなる補助金取得が可能です。初期費用を抑えながら環境にも家計にも優しい太陽光発電導入のポイントを知りたい方は、ぜひご覧ください。

eco-ene.com

2025.03.14

東京都北区で太陽光発電設備を導入するメリット

太陽光発電を導入することで、電気代の節約や災害時の電力確保、環境負荷の軽減といった多くのメリットを得られます。

ここでは、それらのメリットについて詳しく解説します。

電気代を大幅に節約できる

太陽光発電を導入することで、家庭内で使用する電気を自家発電できるため、電力会社から購入する電力量を大幅に削減できます。

これにより、毎月の電気代を節約でき、長期的に見ると導入費用の回収も可能になります。

さらに、売電制度を活用すれば、余剰電力を電力会社に売却することができるため、追加の収益を得ることもできます。

電気料金が上昇傾向にある今、電力コストを抑える手段として太陽光発電は非常に有効です。

災害時の電力確保ができる

地震や台風などの自然災害が発生すると、長時間にわたる停電が発生することがあります。

しかし、太陽光発電を導入していれば、日中に発電した電力を直接使用できるため、停電時でも最低限の生活を維持することが可能です。

特に、蓄電池を併用することで、夜間や悪天候時でも電力を確保できるため、万が一の備えとしても優れています。

日本では近年、異常気象による災害が増えているため、非常用電源としても重要視されています。

区内業者を使えば補助金額が増額される

北区では、太陽光発電システムを区内業者によって設置した場合、補助単価が優遇されます。

設置業者	補助単価	上限額
区外業者	1kWあたり8万円	最大20万円
区内業者	1kWあたり9.6万円	最大24万円

区内業者を選ぶだけで1kWあたり1.6万円多く補助されるので、たとえば3kW設置する場合、補助額に約5万円近い差が出ることになります。

これは、地域経済の循環を促進する目的もあり、「地元に貢献しながら得られるメリット」として魅力的です。

蓄電池との同時導入でさらにお得に

北区では、太陽光発電とともに住宅用蓄電池システムの補助も実施しています。

太陽光と蓄電池をセットで導入すれば、自家消費の比率を高めつつ、災害時の停電対策にもなるため、北区の制度を活用することで長期的なメリットが生まれます。

管理組合や中小企業にも手厚い

北区の補助金制度は、個人住宅だけでなく、以下のような団体・法人にも適用されます。

特に中小企業の場合、補助率が最大30％、上限150万円と非常に手厚いため、商店・事務所・工場の屋根への設置にも現実的な支援が受けられるのが特徴です。

環境に優しく、CO2排出量を削減できる

太陽光発電は、発電時に二酸化炭素（CO2）を排出しないため、地球温暖化防止に貢献するクリーンなエネルギーです。

火力発電などの化石燃料に依存しないことで、家庭から排出されるCO2の量を大幅に削減できます。

また、日本政府はカーボンニュートラルの達成を目指しており、再生可能エネルギーの普及を推進しているため、補助金や優遇制度も充実しています。

エコなライフスタイルを目指す方にとって、太陽光発電は最適な選択肢の一つといえるでしょう。

太陽光発電のデメリットとは？注意すべきポイント

太陽光発電には、電気代の節約や環境保護など、多くのメリットがあります。

しかし、導入には初期費用がかかるほか、天候による発電量の変動やメンテナンスの必要性など、いくつかのデメリットも存在します。

これらの点を事前に理解し、適切な対策を講じることで、太陽光発電の導入をよりスムーズに進めることができます。

初期費用が高い

太陽光発電システムを導入するには、太陽光パネル、パワーコンディショナー、設置工事費などの費用が発生し、一般的に100万円～300万円程度かかります。

初期費用の負担が大きいため、導入をためらう方も少なくありません。

しかし、補助金や助成金を活用することで、コストを大幅に削減できる可能性があります。

さらに、ローンやリースを利用することで、一括払いの負担を抑えながら導入する方法もあります。

天候による発電量の変動

太陽光発電は、天候や季節に大きく左右されるため、曇りや雨の日には発電量が大幅に低下します。

特に冬季は、日照時間が短くなるため、年間を通じた発電量に影響を与える可能性があります。

しかし、適切な対策を講じることで、安定した電力供給を確保することができます。

メンテナンスや耐久性の問題

太陽光パネルは、約25〜30年の寿命がありますが、長期間の使用に伴い発電効率が低下することがあります。

また、ホコリや鳥のフンが付着すると、パネルの発電量が減少する可能性があります。

そのため、適切なメンテナンスを行い、長期間にわたって安定した発電を維持することが重要です。

補助金を活用して太陽光発電を導入する際の注意点

補助金には申請期限や適用条件があり、正しく手続きを進めなければ、受け取れないケースもあります。

申請のミスや期限切れによって、せっかくの補助金を逃してしまうことがないよう、事前にしっかりと確認しておきましょう。

ここでは、補助金を活用する際に注意すべきポイントを詳しく解説します。

補助金の申請期限と予算の上限に注意

補助金には申請できる期間が定められており、期限を過ぎると申請することができません。

また、多くの自治体では「予算が上限に達した時点で受付終了」となっており、想定よりも早く締め切られることがあります。

特に人気のある補助金制度では、受付開始後すぐに予算枠が埋まるケースもあります。

補助金の対象設備と適用条件を事前に確認

補助金を受け取るためには、対象となる設備や設置方法が自治体の定める条件を満たしている必要があります。

例えば「指定されたメーカーの太陽光パネルを使用すること」「発電容量が1kW以上であること」「認定された施工業者が設置を行うこと」など、細かな要件が設定されている場合があります。

補助金と他の制度の併用可否を確認

補助金には、国や自治体、電力会社などが提供するさまざまな種類があります。

しかし、補助金制度によっては「他の補助金との併用ができない」場合があるため、事前に確認することが必要です。

例えば、東京都の補助金は併用可能ですが、別の助成金と重複して申請できない場合もあります。

施工業者の選定は慎重に行う

太陽光発電の導入を成功させるためには、信頼できる施工業者を選ぶことが不可欠です。

施工業者によっては、補助金の申請手続きを代行してくれるところもありますが、業者選びを誤ると、施工不良や申請ミスによって補助金が受け取れないリスクもあります。

業者を選ぶ際には、以下の点をしっかり確認しましょう。

一部の業者では、「必ず補助金が受け取れる」と誇張して営業するケースもありますが、実際には補助金の要件を満たしておらず、申請が通らないこともあります。

北区の太陽光発電補助金 まとめ

東京都北区の太陽光発電補助金制度のポイントをまとめました。

設置業者	補助単価	上限額
区内業者	1kWあたり9.6万円	24万円
区外業者	1kWあたり8万円	20万円

令和6年度は2024年10月29日に予算上限に達し受付終了となりました。

次年度（令和7年度）も同様に予算上限に早期到達の可能性があるため、補助金活用を考えている方は、年度開始早々に申請できるよう準備を進めておくことが重要です。

国や東京都の補助金との併用も可能ですが、「補助金の合計が実際の支出額を超えない」という条件があります。併用申請には「他の助成金等申請状況申出書」の提出も必要です。