東京都で太陽光を導入すると、既築住宅では最大45万円、新築住宅では最大36万円の補助金を受けられるほか、蓄電池やV2Hシステムと組み合わせることで、さらに多くの補助を受けることが可能です。

また各市区町村が独自に実施している補助金と併用すれば、導入コストを大幅に削減し、投資回収期間を短縮できます。

この記事では具体的にどのような補助金制度があり、どのように活用すれば最大限のメリットを得られるのか、詳しく解説します。

【2025年】東京都の太陽光補助金を解説

東京都では、再生可能エネルギーの普及と環境負荷の軽減を目的として、太陽光発電、蓄電池、V2H（Vehicle to Home）システムの導入に対する補助金制度を実施しています。​

これらの補助金を活用することで、初期投資を抑えつつ、持続可能なエネルギー利用を推進することが可能です。

太陽光発電・蓄電池・V2Hの補助金はいくら？

東京都の補助金額は、導入する設備の種類によって異なります。

以下の表で詳しく確認しましょう。

設備の種類	補助額	条件・注意点
太陽光発電（新築住宅）	3.6kW以下： 1kWあたり12万円（上限36万円） 3.6kW超え： 1kWあたり10万円（上限50kW未満）	東京都内の住宅に設置すること
太陽光発電（既築住宅）	3.75kW以下： 1kWあたり15万円（上限45万円） 3.75kW超え： 1kWあたり12万円（上限50kW未満）	既築住宅向けの特別補助あり
家庭用蓄電池	1kWhあたり12万円	太陽光発電を同時設置または 再生可能エネルギー契約が必須
V2H（単体）	設置費用の1/2（上限50万円）	EVとの接続を想定
V2H（EV・太陽光とセット）	設置費用の全額（上限100万円）	EVの納車完了が条件

補助金を利用することで、導入コストを大幅に抑えることが可能です。

特に、蓄電池やV2Hと併用することで、電気料金の節約や災害時の電力確保といったメリットも期待できます。

補助金の対象者と申請条件

補助金を受け取るには、以下の条件を満たす必要があります。

上記の条件に加え、各設備にはそれぞれ特有の条件が設けられています。

認証基準や価格条件は市場の変化に応じて更新されることがあるため、申請時には最新の情報を確認しましょう。

設備	追加条件
太陽光発電	JETまたはIEC認定のパネルを使用し、発電出力が50kW未満であること
家庭用蓄電池	1kWhあたりの機器価格が20万円以下であること SII（環境共創イニシアチブ）に登録されている機器であること
V2H	CEV（クリーンエネルギー自動車）補助金の対象機器であること

申請前に、補助金の条件に適合しているかをしっかり確認しましょう。

特に、補助対象の機器は指定されているため、該当する製品を選ぶことが重要です。

補助金の申請受付期間

東京都では、2025年も一般家庭および企業向けに、太陽光発電および蓄電池の補助金が提供される予定です。

ただし、2025年度の補助金に関する詳細はまだ公表されておらず、2024年度の補助金については、2025年3月末まで申請が可能です。

補助金は先着順であることが多く、予算の上限に達すると受付が終了する場合もあります。

そのため、早めに申請することをおすすめします。

申請を検討されている方は、速やかに手続きを進めることが重要です。

太陽光助成金申請の流れ（申し込みから受給までの手順）

東京都では、太陽光発電および蓄電池の導入を支援するための助成金制度が設けられています。

申請にはいくつかの手順があり、適切に進めることでスムーズに助成金を受け取ることができます。

以下に、申し込みから受給までの流れを、分かりやすく説明します。

① 事前申込（予約）

まず、助成金を受けるためには、事前に申し込みを行う必要があります。

1. 情報収集と見積もり取得
   助成金の対象となる設備（太陽光発電システムや蓄電池など）の種類や、申請要件について確認します。
   次に、信頼できる施工業者を選び、設備の導入にかかる費用の見積もりを取得します。
2. 事前申込の提出
   東京都の指定する申請窓口（クール・ネット東京の公式ウェブサイト）から、申請者情報や設備の設置予定内容を登録し、必要書類（見積書や本人確認書類など）を添付して、事前申込を行います。
3. 申込内容の確認と予約確定
   事前申込が受理されると、正式な申請手続きの案内が届きます。
   ここで予約が確定するため、交付申請に向けた準備を進めます。

② 交付申請と工事

事前申込が受理されたら、次のステップとして、交付申請を行い、設備の設置工事を進めます。

1. 設備の設置契約と工事開始
   事前申込が完了した後に、施工業者と正式な契約を結びます。
   契約後、太陽光発電や蓄電池の設置工事を開始します。
2. 交付申請兼実績報告の提出
   設備の設置が完了したら、助成金の交付を受けるための申請を行います。
   必要な書類（工事完了証明書、領収書、設置写真など）を揃え、東京都の指定窓口に提出します。

③ 助成金の受領

交付申請が完了した後、東京都による審査が行われます。

1. 審査と交付決定通知の受領
   提出された書類の内容が審査され、問題がなければ「交付決定通知」が届きます。
2. 助成金の振り込み
   交付決定通知を受けた後、指定の銀行口座に助成金が振り込まれます。助成金を受け取った後も、一定期間設備の維持管理が求められる場合があるため、関連する規定を確認し、適切に対応してください。

東京都の市区町村別 太陽光発電・蓄電池の補助金情報

東京都では、太陽光発電システムや蓄電池の導入を支援するため、各市区町村ごとにさまざまな補助金制度が設けられています。

ここでは東京都内の主要エリアにおける補助金情報と、国や自治体の補助金との併用は可能かについて解説します。

東京都内の主要エリア別補助金一覧

太陽光発電や蓄電池の補助金は、市区町村ごとに異なり、補助額や申請条件もさまざまです。

以下の表に、東京都内の主要エリアにおける補助金の概要をまとめました。

市区町村	太陽光発電補助金	蓄電池補助金	申請期間
千代田区	設置費用の20%（上限125万円）	設置費用の20%（上限125万円）	～2025年2月14日
中央区	10万円/kW（上限35万円）	1万円/kWh（上限10万円）	2024年4月1日～予算終了まで（先着順）
港区	20万円/kW（上限80万円）	8万円/kWh（上限40万円）	2024年4月1日～2025年2月28日
新宿区	10万円/kW（上限30万円）	1万円/kWh（上限10万円）	2024年4月15日～2025年3月31日
墨田区	5万円/kW（上限20万円）	設置費用の10%（上限5万円）	2024年4月1日～2025年2月28日
江東区	5万円/kW（上限20万円） ※蓄電池併設で6万円/kW（上限24万円）	1万円/kWh（上限10万円）	2024年4月1日～2025年3月14日
荒川区	5万円/kW（上限25万円） ※区内業者利用で上限30万円	1万円/kWh（上限10万円）	2024年4月1日～2025年2月14日
狛江市	2万円/kW（上限8万円）	5万円/件	2024年4月1日～2025年1月31日

最新の補助金情報については、各自治体の公式ウェブサイトをご確認ください。

市区町村の補助金を活用するとさらにお得！

太陽光発電や蓄電池の導入に際し、東京都や国の補助金に加えて、市区町村独自の補助金を活用することで、自己負担額をさらに減らすことが可能です。

たとえば、東京都の補助金では、太陽光発電システムに対して1kWあたり最大12万円（上限36万円）が支給されます。（東京都環境局）

また一部の自治体では、区内の施工業者を利用することで補助金額が増額される場合もあります。

こうした地域の制度を活用することで、さらに有利な条件で設備を導入できる可能性があります。

申し込みを検討している方は、各自治体の公式サイトで最新情報を確認し、申請手続きを進めましょう。

国や自治体の補助金との併用は可能？

太陽光発電や蓄電池の導入にあたり、国・東京都・市区町村の補助金を併用することは、基本的に可能です。

ただし、各補助金には独自の要件や制約が設けられているため、併用可否の詳細は事前に確認する必要があります。

たとえば、国の「住宅省エネ2024キャンペーン」（環境省）では、1kWあたり5万円（上限30万円）の補助金が支給されます。

ただし、以下の点に注意が必要です。

最新の補助金情報は、各自治体の公式ウェブサイトや申請窓口に確認することが重要です。

事前に条件をしっかり把握し、最適な補助金の組み合わせを検討しましょう。

2025年度の太陽光発電補助金の最新情報

2025年に向けて東京都の太陽光発電補助金制度は、変化する可能性があります。

ここでは、東京都が補助金を支給する背景や目的、新築住宅への太陽光発電設置義務化、今後の補助金の動向についての最新情報を解説します。

東京都が補助金を支給する理由と背景

東京都が太陽光発電の導入を促進し、補助金を支給する背景には、以下2つの大きな目的があります。

東京都の温室効果ガス排出量の約7割は、建物のエネルギー使用によるもので、そのうち一般家庭が約3割を占めています。

この現状を受け、東京都は2030年までに温室効果ガスの排出量を2000年比で50%削減する「カーボンハーフ」を目標に掲げています。

その実現に向け、太陽光発電の普及が不可欠とされています。

東京都は、太陽光発電の導入支援を通じて、都民の電力コスト負担を軽減するとともに、持続可能なエネルギー社会の実現を目指しています。
（出典：東京都環境局）

東京都の新築住宅に太陽光発電設置が義務化？

2025年4月から、東京都では特定の新築住宅に対する太陽光発電システムの設置義務化が始まります。

この制度は、年間の建築棟数が多い大手ハウスメーカーや建設業者を対象としており、一定規模以上の住宅に対し、屋根への太陽光発電パネルの設置が義務付けられます。

特に、都内の新築住宅は今後も増加が見込まれるため、新築時点での太陽光発電設置を義務化することで、省エネルギー住宅の普及を加速させる狙いがあります。

2025年以降は補助金が減額される？

近年、太陽光発電の導入支援を目的とした補助金制度は、技術の普及やコストの低減に伴い、段階的に見直される傾向にあります。

2025年以降、東京都の補助金がどのように変化するのかについて、現在の動向を踏まえて解説します。

年度	東京都の補助金（太陽光発電）	補助金減額の可能性
2023年度	1kWあたり最大10万円（上限30万円）	なし
2024年度	1kWあたり最大12万円（上限36万円）	一時的な増額
2025年度	未定（前年度と同程度の見込み）	段階的な縮小の可能性

東京都の補助金は、これまでの動向を踏まえると、短期的には継続されるものの、将来的には段階的に縮小される可能性があります。

これは、太陽光発電の設備コストが低下していることや、普及が進んでいることを考慮した政策判断によるものです。

（出典：東京都環境局）

ZEH（ゼロエネルギー住宅）と補助金の関係

このZEHを推進するために、国や自治体は補助金制度を設けています。

東京都では、ZEH基準を満たす住宅に対し、以下のような補助金が用意されています。

補助金の種類	対象条件	補助額
ZEH補助金（国の支援策）	ZEH基準を満たす住宅	55万円
ZEH+補助金	より高性能なZEH+仕様	100万円
蓄電池導入補助	ZEH住宅＋蓄電システム設置	追加補助あり

また、東京都の補助金と国のZEH補助金を併用することも可能なケースが多いため、補助金を活用することで、より費用を抑えて環境に優しい住宅を実現することができます。

（出典：環境省）

太陽光補助金に関するよくある質問

太陽光発電の導入を検討される方々から、補助金に関するさまざまなご質問をいただきます。

以下に、よくある質問とその回答をまとめました。​

東京都の太陽光発電補助金まとめ

東京都の太陽光発電補助金は、環境負荷の軽減とエネルギー自給率向上を目的としています。

申請には東京都内の住宅で未使用機器を設置し、5年以上使用することが条件となります。

補助金は先着順であり、各市区町村の補助金と併用可能な場合があるため、早めに申請するようにしましょう。

さらに、2025年4月からは特定の新築住宅への太陽光発電設置が義務化されるため、今後の補助制度の活用がより重要になります。

ぜひ補助金を活用し、太陽光発電を導入して、環境にも家計にも優しい暮らしを実現しましょう！